熊本・大分のためにいまできること

いまできることをできる範囲で

2016.08.22

皆さん、初めまして。
TAプロジェクト 九州魂 KUMAMOTO AID 代表の吉田信一(よしだ のぶくに)と言います。普段は町医者をやっております。

本震翌日から熊本に入り、診察や治療などの医療支援、炊き出しなどの食料支援、生活用品などの物資の支援、歌や音楽などのエンターテイメントの支援を、全国から集まった九州魂の仲間たちとやっております。
本震直後は、18万人を超えていた避難者も8月13日現在1800人まで減り、855ヶ所あった避難所も8月末に14ヶ所まで縮小されます。震災直後から必要とされるものは刻々と変化しています。

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私たちは70ヶ所の避難所に物資をお届けしていたのですが、各避難所に届いた物資に偏りがあり、余った物資を不足している避難所へ運んだりすることもしていました。そこで、避難所間や他県から支援物資を積んで来られた方に、今何がどこに必要かが、すぐに分かる『熊本震災 救援物資マッチングサイト』をWeb上に立ち上げ、九州魂以外の方々にも広く利用して頂き、今必要なものを今必要な方にお届けすることができました。
東北での震災の時もそうですが、SNSが今回も、とても役に立ちました。被災者の方が、今必要なものをSNS上にアップし、私たちが情報を確認、整理し、SNS上に拡散、そして集まった物資を全国3ヶ所の拠点で分類整理し、福岡の集積所に集め、それを私たちが避難所や被災地のキーパーソンに届け、そこから必要な方にお渡ししていました。現地での情報精査や最終的なお届けを手伝って下さった一つに、『防災ママさん』と言うコミュニティーがありました。日頃から防災について全国各地で勉強会をされており、情報は常にネット上で共有されています。

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必要とされる医療も、時間の経過と共に変化していきました。最初は打撲や骨折、ケガの手当てが多かったですが、その後は、普段使用されている定期薬のお届け、そして感染症が流行り出してきたのでその治療、最近ではメンタルケアが中心となっています。ある避難所で診察した高齢な女性は、ほぼ寝たきりになってしまい、食事も食べれないほど衰弱していたのですが、私よりも病状の酷い方に病院のベッドを使って欲しいと、ギリギリの状態まで我慢されていました。私たちは、患者さんの状態を正確に把握し見極め、病院へ送る判断を迫られることがよくあります。この時、熊本の方は本当に強いと思いました。きっとこの町は、しっかり復興を遂げ、更に栄えていくのだろうと感じました。

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炊き出しなど、食事の支援も、最初は水と炭水化物をお届けし、そしてタンパク質、ビタミン、ミネラルを多く含んだ食事、最近では嗜好品を含め、今食べたいものをお届けするようにしています。今回の震災で初めてスイーツ炊き出しを行ったのですが、疲れた身体や脳に、とても良い影響がありました。皆さん笑顔で食べて下さったことが印象的でした。

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震災当初、作れるだけのオニギリと近くのコンビニで買えるだけのお弁当と飲み物を買い熊本に入りました。道は至る所で壊れており、マンホールは飛び出し、橋は浮いていたり落ちていたりして、走れるルートは限られていました。そこで、以前私と一緒に働いていた仲間が熊本に住んでいたので、彼に道案内を頼みました。各避難所に食料と水を届けていたのですが、彼は丸二日間、何も口にしていませんでした。配給された食料は全て自分の子供たちに食べさせていたのです。そして私が運び込んだ食料も、自分より大変な思いをしている避難所の方々にと言うのです。彼も被災し、飲み水もままならない状況なのにです。隣人を思う気持ち、家族を守ろうとする強い愛情、助け合いの精神、今回の震災で改めて気付かされました。

生活用品や水は、今も定期的にお届けしているのですが、今後復興の過程で色々と新しく買い揃えないといけないものも多く、お金が必要になります。少しでもそちらにお金を回して頂けるように、日常の消耗品などをお届けしています。水は通るようになりましたが、まだまだ濁りが強い地域もあり、飲用するには難しいので、そのような地域には、今も尚、お届けさせて頂いてます。

震災後、3ヶ月を過ぎた頃から、エンターテイメントの支援もさせて頂いてます。炊き出しで並んでおられるときに、音楽の生演奏をしたり、食事後にみんなで歌を歌ったり、踊ったりしています。高齢者やハンディキャップがある方々は、長期の避難所生活で運動量が減り、筋力が低下したり関節が拘縮してくるので、お休みになっている所まで行き、一緒に体操やマッサージ、リハビリなどを提供させて頂いてます。

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まだまだ復興には時間がかかります。今後もこのような支援を継続していこうと思っています。また、数時間でもお時間が取れる方は、各地域のボランティアセンターに足を運んで頂き、その日必要なお手伝いをして頂きたいです。現在、避難所生活が4ヶ月と長くなってきている方がおられます。音楽や演劇、お笑い、また話し相手をしに行かれるのも良いと思います。同じ被災者同士だと言えないこともありますし、お話を聞いてもらうだけで、ストレスも軽減されることもあります。南阿蘇や熊本市外の地域では高齢化が進んでおり、地震で壊れたものやゴミの搬出、仕分けなどがままならない所が多いです。南阿蘇に救援物資をお届けに行ったときに、避難所近くにある地震ゴミの集積所で、大きな家電や棚や瓦礫などの仕分けをされていたのが高齢な方々ばかりだったことに驚き、少しでもお手伝いしたいと思った事がありました。

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いまできること、あなたにできることが、熊本や大分にはまだまだ沢山あります。是非、現地を訪れてください。そしてその土地の食事を食べ、宿泊したり、観光したりすることも、経済支援に繋がります。遠方であったり、お仕事や、ご家庭、お身体のご都合で被災地まで行くことが難しい方は、SNSやブログで今必要なものを知り、感じてもらい、ご自分でできる範囲のご支援をして頂けたら幸いです。

私たちの九州魂では、支援Tシャツというものがございます。デザインは、熊本で被災されてご実家が全壊されたデザイナーさんです。プロデュースは歌手で九州出身の浜崎あゆみさんです。みんなのハートが沢山集まり日本の国旗になっています。このTシャツ1枚で炊き出し5食分を作ることができます。あなたが、いまできることを、いまできる範囲で、どうぞ宜しくお願い致します。

【吉田信一 プロフィール】
1972年、福岡県生まれ。医師•医学博士。2012年、福岡にももち浜クリニックを開設。その後、東京にエイベックスクリニック、札幌a-clinicなど全国に5つの医院を経営し、医療法人社団NYCの理事長を務める。在宅医療、在宅ホスピスを中心に診療し、アーティストやアスリートのメディカルサポートも行う。アンチエイジングの研究と治療、予防医学、がん免疫療法を専門とする。

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