熊本・大分のためにいまできること

友だちになろう。

2016.11.08

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ブリッジクマモトは、熊本大分の地震発生から、およそ1カ月後の5月に、熊本在住の若手クリエイターたちが中心になって、立ち上げた団体です。その後、「被災地のお手伝いがしたい」という東京在住の仲間たち(経験豊富で心優しい若者たち)が加わり、連携しながら、僕たちにできることを、本業のかたわらに行っています。

僕たちは3つの目標を掲げて動いています。

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熊本城アカリトライブ

ひとつめは「熊本を元気にすること」
2016年9月には東京から熊本城の広場にミュージシャンを呼んで、無料ライブを企画運営しました。お笑い芸人のキングコング西野さんの絵本展を九州初でやることも決まっています。このようなチャリティーイベントなどを通して、熊本の人たちがちょっとでも元気になれば、と考えています。

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「SEISHOKOSAN」杉村武則(OVAL)

ふたつめは「熊本のクリエイターの強化」
東京の企業などから、復興支援も兼ねて、「熊本に仕事を発注しよう」という動きがあります。そこで、僕たちは、ウェブサイトだとか、パンフレットなんかを作らせてもらっています。ブリッジクマモトに来た仕事の話を、熊本の優秀なクリエイターに発注して、対価もお支払いする、という仕組みです。おかげさまで、東京の方にも熊本のクリエイターにも喜ばれています(と信じています)。熊本のクリエイターにとっては、経験になりますし、それで熊本の若いクリエイターが育っていけばいいなと、考えています。

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J-WAVE「JAM THE WORLD」パーソナリティの堀潤さんと

みっつめは「熊本地震のPR」
やっぱり、報道自体が減ってきて、熊本に住んでいても、知らないことが増えてきました。ただ、あれだけの地震が起きて、半年で復旧するわけもなく、まだまだ被災地のみなさまは苦しい生活を強いられています。インフラの復旧や、文化財の修理には膨大なお金と時間がかかります。いまだに県内のいたるところにブルーシートが使われています。

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熊本県内のブルーシート

そんな状況で、なにか熊本・大分の地震に対する関心の風化を防ぐ方法はないかと思い、「ブルーシードバッグ」を作りました。「ブルーシートをブルーシード(青い種)に」というコンセプトのトートバッグです。被災地で実際に使われて、捨てられたブルーシートを回収、洗浄して、トートバッグにしちゃおうという、プロジェクトです。もの悲しいイメージのブルーシートを「復興の種」として新しい役割を持たせることで、ネガティブなイメージのものをポジティブなものに転換できればと考えました。

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大分県竹田市「竹田被服」の大塚さん(中央)と、ブルーシードバッグをいっしょに考えたBRIDGE KUMAMOTOの稲田くん(右)

工場は大分県竹田市にあるので、売上のほとんどが熊本、大分に落ちることになります。
こういう活動を通して、「熊本地震のPR」をめざしています。2016年11月には、東京・表参道のTRUNK HOTEL(開業準備室)という、とんでもなくオシャレでカッコいいイベントスペースで、ブルーシードバッグのお披露目会を開くことができました。

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熊本県「シタテル」の村上さん

このバッグがアイデアだけでなく、実際に立派なトートバッグとして作ることができたのは、熊本のベンチャー企業で、「アパレルのクラウドソーシング」を日本で初めてスタートさせた「シタテル株式会社」さんの協力があったからです。

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東京・表参道「TRUNK HOTEL(開業準備室)」でのイベント「ブルーシード大作戦」の模様

僕たちはとても小さな団体で、資金もなく、メンバーはみんな、自分たちの時間を削って活動をしています。前述した東京からの仕事の制作費の一部を運営費に回しているような状況です。そんな僕らに、大きなプロジェクトはとてもじゃありませんが、実行できません。小さなプロジェクトを積み重ねていくしかないのです。そうした時にふと、「僕達のやってることはたいして意味のないことなんじゃないか?」と頭をよぎることがあります。確かにそうかもしれません。ひとりひとりのできることなんて限界があるからです。

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そこで、僕はこう考えるようにしました。「そういうことはどうでも良いから、とりあえずいろんな人たちと友だちになろう。」と。地震後、熊本にはたくさんの人たちが来てくれています。彼らとどうにかして「友だち」になろうと思ったのです(彼らは嫌かも知れませんが笑)。東京からヒッチハイクでボランティアに来てくれた若者がいます(バラエティ番組の企画でも何でもないのに!)。また、最初はボランティアでやって来て、今度は夜行バスでふらりと遊びに来てくれた若者がいます。彼女は「熊本の人たちが好きになった。」と言ってくれました。僕は彼女に熊本で一番美味しいカレーを食べさせました。東京でバリバリに働きながら、熊本に足繁く通う仲間がいます。笑顔を絶やさず、前向きに行動するその姿は、もはや天使にしか見えません。そんな人たちと、一緒にごはんを食べて、彼らの話に耳を傾けることほど、楽しいことはありません。そして何より勇気付けられます。彼女たちは、いつも被災地のことを思ってくれているからです。彼らはいつも、被災地の人たちに笑顔で接してくれるからです。

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いつかどこかで、必ずやってくる次の災害に、まだ見ぬ友だちが巻き込まれるかもしれません。その時は、僕たちが駆けつける番です。そのためにも、いまたくさんの「友だち」を作ることが、僕の「いまできること」だと思います。

【佐藤かつあきプロフィール】
1978年長崎県佐世保市生まれ。かつあきデザイン代表。アートディレクター。
2005年、クリエイティブスタジオORYEL(港区南青山)入社。2010年、熊本に移住。熊本市中央区新町に「かつあきデザイン」開設。
九州アートディレクターズクラブAWARD 2015で7部門入賞。2016年第56回ACC CM FESTIVAL「地域ファイナリスト」入賞。

【BRIDGE KUMAMOTOとは】
「創造力は奪えない。」を合言葉に、2016年5月に“BRIDGE KUMAOTO”が熊本で活動を始めました。復興への道は始まったばかりです。それでも人々の関心は薄れ、急速に風化していきます。この窮地をチャンスに転換させるためには、外部だけの支援に頼らない、自立した復興プランを考える必要があります。その復興プランを地元・熊本のクリエイターを中心に、県外の支援者と共創することで、「熊本の創造的な復興」の架け橋となることを目指しています。
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