熊本・大分のためにいまできること

旅支え、食べ支え。

2017.01.05

最悪の状態の自分に、
突然、熊本行きのミッション!

2016年度は散々なスタートでした。長年苦楽をともにしてきたアートディレクターが病のため戦線離脱。自分も不規則な生活と暴飲暴食のため糖尿病になり、大好きな日本酒と炭水化物の摂取がドクターストップ!とどめは東日本大震災以降、岩手、宮城、福島の復興支援のための映像を一緒に作り続けてきたCMプロデューサーが不慮の交通事故であの世に旅立ってしまったのです。なんて年だ!とボヤいていた矢先に熊本で大地震。ほら、2016年は最悪の年だ。こんな年はおとなしくしているに限る…。

そんな不貞腐れた私を神様は見ていたのだと思います。内閣府政府広報室より、熊本地震の被災地が求めていることを調査して、それに応える広報を行いなさい!とのミッション。すぐに熊本に飛び、現地のマーケティング会社やNPOの皆さんと事務局を立ち上げました。あれッ、確か今年はおとなしくしているはずじゃ…。

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熊本県人の象徴「熊本城」の石垣も無残にも崩壊。これは、おとなしくしている場合じゃない!

まだまだ支援が必要な、被災地。
まだまだある、支援の方法。

熊本県、熊本市、益城町、南阿蘇村などの自治体や社会福祉協議会、支援団体や被災された方々との意見交換を繰り返すうちに、被災された方に対する情報提供だけでなく、全国の皆さんに被災地への支援を呼びかける広報も必要だと感じました。被災地が首都圏から離れていること、被災規模が限定的なことから、東日本大震災に比べると風化のスピードが著しく早く、どこか他人事的なムードが地震から3カ月も経たないうちに拡がりはじめていました。

しかし、地震がもたらしたものは目に見える被害だけではありませんでした。益城町や南阿蘇村をはじめ、農業や酪農が盛んな地域では、生産を再開できても流通ルートが途絶えてしまった生産者が多数いました。また観光客の減少によって、両県ともに観光消費額が激減しました。間接的な経済被害が深刻な影を落としていたのです。

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美しい熊本の大地からも、人々が遠ざかってしまっています。まだまだ支援が必要です

そりゃ九州は遠いから、毎週のようにボランティアに出向くことは難しい。でも、被災地で生産された食べものを買って食べたり、インフラが復旧した地域を旅して応援することだってできるじゃないか。ならば、買い支え、食べ支え、旅支えを呼びかけるテレビCMや番組をつくろう!となりました。

予算は少なくとも、
志は高く!

政府広報室が被災地への支援を呼びかけるテレビCMや番組をつくる。画期的な取り組みですが予算はキツキツ。それでも快くこの指にとまってくれたメンバーがいました。エグゼクティブプロデューサーに、ドリームデザイン(助けあいジャパン)の石川淳哉さん。クリエイティブディレクターにはマエサクの佐々木昌彦くん。そして高い志とスキルを持つスタッフの方々が参加してCMづくりがスタートしました。石川さんの呼びかけで、くじゅう高原に拠点を持つ世界的な和太鼓チーム「DRUM TAO」も協力してくれました。感激して涙が出ました、ほんとうに。

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朝5時の日の出とともに撮影。世界が絶賛するパフォーマンスとその音圧に圧倒されました

テレビ番組は熊本篇には熊本在住のスザンヌさんが、大分篇には大分出身の石丸謙二郎さんが多忙な身にも関わらずご出演くださいました。時間がない中、ディレクターは撮影した素材を近くのネットカフェで編集…。かわいそうで涙が出ました、ほんとうに。
※テレビCMと番組は政府インターネットテレビで公開しているので、ぜひご覧ください。

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熊本出身・在住のスザンヌさんは、熊本を笑顔にする存在です

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大分出身の石丸さんは「大分のためなら」と、快く引き受けてくださいました

熊本、大分で頑張る皆さんの決意に満ちた表情や、あったかい笑顔が印象的なコンテンツになったと思います。関わっていただいた方々、有難うございました。

そして、ジョブから
ライフワークへ。

今、2016年最後の熊本出張から東京に戻る飛行機の中でこのコラムを書いています。最悪のスタートだった2016年度は、熊本地震の被災地通いをするうちに充実した毎日へと変わりました。ひたむきに前を向いて歩く熊本・大分の方々から、たくさん元気をいただきました。その輝きを魅力的な映像にするべく汗を流すスタッフとのふれあいの中で、人間のたくましさ、やさしさを実感できました。人が人を想うこと。それに応えようとする想いが化学反応を起こして、復興の、いや、新しい日本をつくるエンジンになる。被災地に遊びに行くこと、被災地の食べものをいただくこと。それは誰もができる日本の美しい文化だと思います。なにより、だれかに頼りにされること、誰かの役に立てることは、生きるエネルギーになる。さぁ、行こう!お酒も肴も美味しいしね!

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熊本名物の馬刺し。熊本と大分には心と体を豊かにしてくれる絶品がたくさん!

え、糖尿病はどうしたかって?
日本酒から焼酎に切り替えたことで血糖値を上手にコントロールできているようです。熊本通いは健康維持にも効果的でした。旅して、食べて、じぶんも復興。ビバ!熊本・大分!

【福地英樹 プロフィール】
株式会社ニュートン 代表取締役・プロデューサー。
1964年 福島市飯坂温泉出身。株式会社 大広を経て独立。
東京と仙台を拠点に、企業や自治体の課題解決を目的とする広告・プロモーションを手がけている。
東日本大震災以降は、岩手県、宮城県、福島県の復興支援をメインに活動。
内閣府、復興庁、各県からの依頼で、被災者向け広報や、観光誘客、6次産業化支援など多数の復興関連プロジェクトを行なっている。
最近は、限界集落や商店街の活性化や商品開発、飲食店の開発・運営などを行う会社を立ち上げ、新たな世界に挑戦中!