熊本・大分のためにいまできること

復興支援から、友だち支援にする。

2017.05.12

国や企業は復興支援で巨大なお金や物を動かすことができます。では、個人の復興支援活動ではどのようなことができるのでしょうか。

その1つの方法として、友だち支援があります。東日本大震災でも多様な支援のカタチが生まれました。僕の友人は復興支援で訪れた宮城県雄勝の漁師さんと知り合いました。しばらく通っていると、同じ地域の復興支援活動でも助成金が尽きるとそこで終了したり、あれほど多くの人が来ていたのに誰も来なくなってしまいました。僕の友人はそれでは寂しいと感じて、漁師さんたちと友人としての信頼関係を深めることにしました。と言っても活動はシンプル!飲み友だちを続ける努力です。今では本当に仲良くなり、東京にも遊びに来てくれる関係になりました。7年目を向かえた今でも友人はニコニコしながら雄勝に通ってます。

僕はソーシャルデザインを仕事としており、NPO法人EDUCAREの代表も務めています。EDUCAREは、日本におけるフェアトレードの普及や障害のあるアーチストの支援を目的として活動しています。

あまり知られていませんが、熊本市はアジア初のフェアトレードタウンなのです。昨年の夏に熊本市を訪れた際に、フェアトレードタウンの中心的な活動をされている明石祥子さんと知り合いました。そこで明石さんの経営するフェアトレードショップ「ラブランド」も被災したことを知りました。全壊に近い被害を受けながら、何とか再開を目指して努力されてました。僕はフェアトレードでつながっている明石さんと友だちになり、応援に通い続けることにしました。

現在はトイレも壊れて使えない状態なので、日中の3時間だけ営業しています。2017年の秋に自力でリニューアルオープンを目指しています。熊本では復興バブルで、建築費が倍の価格になってます。地元の大工さんは便乗値上げをせずに通常価格で仕事をされているので、注文が殺到していて1年以上の順番待ち状態だそうです。明石さんは仕方がないので、自分たちで少しずつ補修を始めていました。

僕はデザイナーなので復興支援として、内装デザインのアドバイスをしたり、熊本在住の障害のあるアーチストの絵をデザインしたフェアトレード商品の開発も一緒に行っています。この商品をチャリティ販売して、売り上げの一部を熊本城再建の寄付にする計画です。

復興支援だと、どこかで終わりになりますし、対等な関係でもありません。しかし、友だちになれば付き合いは一生で、関係も対等になります。個人の場合は自分と職種が近いとか、趣味が同じ方とつながり、友だちになることが継続的な支援のきっかけになると考えています。もちろん飲み友だちでも良いと思います。そうした関係になり、通い続けることが喜んでもらえる復興支援のカタチの1つだと考えています。

熊本の復興もまだまだ始まったばかりです。僕も明石さんとの付き合いを楽しみながら通い続けるつもりです。

写真のトートバックは、明石さんに紹介していただいた熊本在住の障がいのあるアーチストの作品を使ったフェアトレード&オーガニックコットンのトートバッグです。現在、明石さんと熊本城復興支援チャリティ用オリジナルのフェアトレードトートバッグを共同企画中です。

【福島治プロフィール】
福島デザイン主宰、グラフィックデザイナー。1958年広島生まれ。日本デザイナー学院広島校卒。浅葉克己デザイン室、ADKを経て、1999年福島デザイン設立。被災地支援プロジェクト「unicef祈りのツリー」「JAGDAやさしいハンカチ」「おいしい東北パッケージデザイン展」など、デザインにおける社会貢献の可能性を探求、実践する。また、2016年にデザインの力を有効に使ったNPO法人EDUCARE JAPANを立ち上げる。世界ポスタートリエンナーレトヤマ・グランプリ、メキシコ国際ポスタービエンナーレ第1位、カンヌ広告フェスティバル・金賞、ブルガリアポスタートリエンナーレ第3位など国内外の30以上の賞を受賞。TDC、JAGDA、AGI会員。一般財団法人森から海へ理事、NPO法人EDUCARE JAPAN代表、日本デザイナー学院顧問、東京工芸大学デザイン学科教授。