取材班による現地レポート

はじめてボラセンに行ってみた

2018.09.02

広島在住イラストレーターの沢田妙と言います。これまで正直災害ボランティアは、縁がなかったんです。だから見ること聞くことはじめてだらけ。でも、こんな私にしか伝えられないこともあるのかなと思い「いまできること平成30年7月豪雨」レポーターに参加しています。どうぞよろしくお願いします!

ボランティアセンターを略して、「ボラセン」と呼ぶらしい。安芸郡坂町のボラセンで静かにリーダーシップを発揮している人を見つけた。 増田勇希さん。 ボランティアをする人、される人、運営する人をつなぐ調整役とでも いったらいいのだろうか。

「物静かな人」「人に細かくやり方を言ったり強制するような物言いをしない人」 と、数人から彼の事を聞いた。 そんな増田さんか唯一口うるさくなるのは、朝のミーティング。

「10分やったら、10分休むこと!」 参加するボランティアたちに、これだけは口が酸っぱくなるほど伝える。 ボランティアの中には、「せっかくここまで来たのだから、何かをやりとげたい」という意識で、ついつい がんばり過ぎてしまう人がいるそう。今年の猛暑と熱中症は背中合わせ。 適度に自ずから作業の手を止め、事故や病気を未然に防ぐことの大切さを伝えることに、増田さんは大きな力を注ぐ。

もう1つ印象深かった増田さんの言葉がある。 「ボランティアのすべきことは”作業”ではない」という言葉だ。

泥を掻き出したり、瓦礫を退けたりと、途方もない数々の”作業”は確かにある。 そんな”作業”に熱中するあまり、埋もれた家具や農具を”ゴミ”と呼んでしまったり、”ゴミ”として扱ってしまったりする ボランティアも少なからずいるという。片付けるという行為は、被災者が1つ1つお別れをしている”時間”でもある。 例えば「その家のおばあちゃんの話を聞くことに1時間使って、活動が1日延びても構わない」と増田さんは言う。被災者と時間を重ねていくことで、分かり合える感情もある。 長くボランティアに携わる増田さんだからこその気づきだ。

そんな増田さんの願いは、「プラスの体験をたくさん持ち帰ってほしい」ということ。他県から宿代や交通費まで使って来てくれるボランティアがいる。 「自分も昔被災した時に助けて貰ったから」と参加してくれるボランティアもいる。

被災地でのボランティア経験は未来へのバトン。「ボランティア活動で嫌な思いをしたら、次の機会につなげられない」という危機意識が増田さんにはある。

災害はどこの地域に住んでいても他人事ではない。 目の前の自分と、すこし先の未来の為に「今、自分にできること」をする大切さを自覚する。 それこそが、今後のボランティアに求められることだと教えられた気がする。

増田勇希さん 特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター

イラスト・文 沢田 妙

一覧へ戻る