取材班による現地レポート

取り残された場所に希望を与えたい~曹洞宗の若手僧侶が呉市天応地区でボランティア活動〜

2018.09.26

曹洞宗の若手僧侶集団が呉市天応に参上!

西日本豪雨災害から約2か月が経過した9月11日(火)。
呉市天応地区を中心に活動する『コミサポひろしま』を取材中、あるボランティア団体に出会った。

被災地での支援活動を目的に2018年立ち上がったばかりの『慈友会』『茨城県曹洞宗青年会』のメンバーだ。
彼らの本業は、曹洞宗の僧侶。
この日は、柱や床板の養生、床下で固まっている泥状の土砂の除去を行っていた。

『慈友会』そのものは今年立ち上がったばかりだが、メンバーは平成29年九州北部豪雨災害や三重台風災害の時も、個人でボランティア活動に参加してきた。

その現場で出会った『コミサポひろしま』や『風組関東』といったプロボノ(※1)といわれる人達の活動を間近で見たことが、『慈友会』を立ち上げるきっかけにもなったという。

取り残された地域のニーズに応えたい

彼らがこの天応地区を訪れるのは3回目。
今回は先に広島市安芸区矢野地区を訪れ、その後、呉市天応地区に入った。

どちらの地区も道路などいくつかの場所で土砂の除去が着実に進む一方で、少し足を延ばせば未だ手付かずのままの被災家屋があちらこちらにある。
復旧が進む地域と、取り残される地域。復旧の格差が目立ち始めていると感じた。

「(まだまだ助けを必要としているのに)誰も来てくれなかったとしたら…悲しいですよね。だから必要とされている場所に自分たちは行きたい」
『慈友会』の主要メンバーの一人、鈴木孝信さん(松月院副住職/茨城県)はそう話す。

『慈友会』と『茨城県曹洞宗青年会』への期待

今回は茨城県、愛知県から20代~30代の5人のメンバーが参加した。
若い力が求められる災害の現場で、彼らの活躍に期待する声は多い。

宮城県山元町の普門寺の住職、坂野文俊さんもその一人だ。
彼らと同じ現場で活動したこともあり、また同じ曹洞宗の住職として彼らに注目している。
今回はたまたま同じ時期にこの天応地区を訪れ、同じ現場で活動することになったそうだ。

坂野さん自身、東日本大震災の被災当事者でもあり、その年に普門寺をボランティア活動の拠点『おてら災害ボランティアセンター』(通称;テラセン)にして、被災者によりそう支援を続けている。
今回は、東日本大震災のときに広島から多くのボランティアが駆けつけてくれたことに感謝する地元の人の想いも背負って、広島入りしたという。

「(ボランティア活動を)僧侶は、率先してやるべきだと思うんです。若手がこうして立ち上がってくれたのは本当にうれしい」と彼らの活動を喜ぶ。

募金活動という支援

『慈友会』は今回のように現地に赴いてのボランティア活動のほかに、知り合いの僧侶に声をかけ、お寺での募金活動を呼びかけ、集まった義援金を自分たちが一緒に活動してきたNPO、NGO法人に寄付する活動も行っている。

今回の西日本豪雨災害においても、このような専用の貼り紙を作って募金を呼びかけ、集まった義援金を広島県呉市で活動する『コミサポひろしま』や、岡山県倉敷市で活動する『風組関東』に届けたそうだ。

募金活動の呼びかけは現在も継続中だ。
町で見かけたらぜひ彼らに力を貸してほしいと願う。

<関連サイト>
慈友会公式サイト

茨城県曹洞宗青年会

※1 プロボノ
各分野の専門家が職業上持っている知識・スキルや経験を活かして社会貢献するボランティア活動のこと

 

いまできること取材班
文・撮影 イソナガアキコ

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