取材班による現地レポート

災害発生から86日。山陽線三原~白市間開通に喜びの声

2018.10.03

西日本豪雨の影響で、JR山陽線の海田市~三原間は土砂崩れなどで不通になった。在来線利用者のため、一部の駅では代行バスの代替輸送等がスタートしたものの、「電車より時間がかかる」「時間が読めない」との声が上がっていた。

8月18日に海田市~瀬野間の運転が43日ぶりに臨時ダイヤで再開。次いで8月21日、白市~八本松間が46日ぶりに運行。約2カ月後の9月9日、瀬野~八本松間の運転も始まった。

9月30日、長く待たれていた白市~三原間が運転を再開。86日ぶりの開通となった。

JR西日本広島支社 三原管理駅の高田敏明駅長は「西日本豪雨で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。長い期間、不便をおかけしたことをお詫びしたい。県や国、地方自治体の協力で、予定より2カ月早く不通区間の再開ができた。今後も、残る不通区間の復旧に向け尽力したい」と話していた。

利用者から「電車がやっと利用できる」「時間に正確でありがたい」と喜びの声を聞き「JRが地域の人たちに提供しているものの大きさを痛感した」と駅長。

7時10分、白市方面から三原駅に入ってきた電車は「カープ電車」。台風の影響か、乗客はまばら。


西条から乗車したという大学生、河内流怜さん(24)は、三原で新幹線に乗り換え、大阪の大学へ向かうところ。「山陽線が不通になってからは、白市から代替バスを利用し三原まで来ていて、普段の倍の時間がかかっていました」と話す。「今日から乗り換えの苦労もなくなり、ずいぶん楽に。電車が河内駅に到着したとき、住民が旗を振って歓迎しているのを見て感激しました。予定より早い復旧に心から感謝したい」と笑顔で話していた。


7時22分発、白市方面の電車を待っていたのは、広島市在住の中学生、広兼俊さん(15)。この日の全線開通がうれしくて、広島から三原まで記念に乗車して来たという。「岡山にいる親戚の所へ、よく電車で会いに行っていましたが、電車が不通になってからは行けずじまい。代替輸送を利用するにも乗り換えが大変で、新幹線は高額ですから。これからは行動が制限されることがないのでうれしいです。受験が終わったら、岡山にも行きたい」と語った。

この日は、台風24号の接近に伴い、午後からの運転が一部見合わせとなった。

豪雨災害で最も大きな被害となった河内~本郷間(東広島市河内町)では、線路脇の県道とともに、線路の土台もろとも崩落。レールが宙吊りになった。(写真提供:東広島市)

関係者の尽力で、86日ぶりに電車が通過。線路と並行する県道33号は、通行止めが続いている。

 

文章・門田聖子(ぶるぼん企画室)
撮影・堀行丈治(ぶるぼん企画室)

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