取材班による現地レポート

被災地で農業支援ボランティア~The CAMPusが目指すもの~

2018.10.07

インターネット上のバーチャルな農学校、The CAMPus。「日本の農業の未来を担う若者たちの”ワクワク”を育む学び舎」であり、「次世代の農業に携わる人間を育てる学校」と位置付けている。「世界を農でオモシロくする」を理念に掲げる。

では、今なぜ農学校なのか。The CAMPusの校長、井本喜久さんに聞いた。

「耕作放棄地増加、担い手不足等、さまざまな問題を抱える農業。しかし、やる気のある人がこの耕作放棄地を使って、新型農業をすればいいではないか。ピンチではなくチャンスと捉え、営業、マーケティング、デザインを組み込んだチームで農業をやっていこうじゃないか。農業がオモシロくなれば人生もオモシロくなる。地域活性化にもつながる。そう思っています」

The CAMPusのベースは、「農」「食」から考える地域活性化。地域に根付いたブランドを作り上げ、地域で生まれた物を世の中に発信するにはどうしたらいいかを考え、企画し、プロデュースしていくのが井本さんであり、The CAMPusの目指すところだ。

今回はThe CAMPus初の「ボランティア活動」。9月16~29日の日程で、「あえて今だから広島の農村で農ライフ体験ツアー」を行った。

かつて東北大震災時や、石巻、福島でもボランティア活動を行った井本さん。「被災地へ行って復興支援に関わっていると、地元の人たちと温度差があることに気付いたんです。多くの人は『補償さえもらえたら復興できるのに』という意識が強かった。僕は、復興支援活動を通じて、地域が元気になるためには『補償』なんかよりも『地域のリーダー』が誕生することが大切だと気付きました。リーダーが中心となり、関わる人々との会話の質を高めながらビジョンを共有していく。そうすれば自ずとその地域は成長していく。つまり、『復興』は『進化』の起爆剤だと地元の人たちに伝えたい。」と話す。

ボランティア活動の地は、7月豪雨で被災した地でもある広島県竹原市田万里町。井本さんの故郷でもある。「田が万の数存在する里、と書くのに、残念ながら耕作放棄地が多く、通過点となっている。豪雨被害のあった地で、まずは草刈り、溝掃除などの農業補助をし、新しい農村の未来を模索する学び多き体験ツアーとしたい」と、井本さんは語る。

田万里地区でも各所で土石流が発生。爪跡は今も残る。

「想像以上のハードワーク」と言いながらも黙々と作業する京極啓さん。3日間滞在してボランティア活動に汗を流した。

地元竹原市の住民も農作業を手伝った。

福山から参加のバラ農家、町本康輔さん。バラ栽培の繁忙期にも関わらず駆けつけてくれた。

思いに賛同してくれた農家さんから借り受けた農地で、午前、午後とボランティア活動をした後は、今榮敏彦竹原市長をはじめ、県内の農家のスペシャリスト等、ゲストと交流。寝食拠点は、田万里町内にある西立寺で、テントサウナも登場した。

西立寺をはじめ、地域住民の理解と協力が活動を支えた。

「楽しみながら学べ、きれいになっていくのは気持ちいい」「いい汗をかき、地元の方々のやさしさ、温かさに触れ、田舎の良さも感じた素晴らしい体験だった」と、参加者たち。

井本さんの掲げる「世界を農でオモシロくする」の第一章は、のべ144人が参加し、無事終了した。「今回の活動は、新時代の地域活性の在り方を模索するきっかけ。まだまだスタートしたばかり。挑戦は続きます」と振り返る井本さんの、次なる挑戦が楽しみだ。

The CAMPus」WEBサイト

 

文章・門田聖子(ぶるぼん企画室)
撮影・堀行丈治(ぶるぼん企画室)

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