取材班による現地レポート

個人で始めた、いまできること。『無料フリーマーケット in 小屋浦』

2018.11.05

西日本豪雨が起きて4か月が過ぎた。
広島に住んでいてさえ、メディアで西日本豪雨の情報を目にする機会はかなり減った。
顕在化していない“隠れニーズ”の問題もある中、ボランティアセンターは徐々に閉鎖、または活動を限定的にする動きが出始めている。

個人で始めた“小さなボランティア”



支援は本当にもう必要なくなってきているのか。
今だからこそ、必要とされる支援もあるのでは?
そんな想いを抱き、個人で小さなボランティアを始めた人がいる。
広島県廿日市市に住む中山昌美さん(写真右)と島袋光世さん(写真左)。
二人が始めたのは、被災地へ女性目線で必要な物資を届ける無料フリーマーケットだ。

会場は、クレアライン高架下の天地川公園に設置された小屋浦サテライト

この場所を選んだのは、二人の友人がこの小屋浦地区で被災し、友人とその周りの人のために何かしたいと思ったことがきっかけだった。

「自分たちでできることは?」と二人で相談し、無料フリーマーケットを開くことにした。

二人の決断を喜んでくれた友人は、無料フリーマーケットのチラシを作って応援してくれた。
おかげで10時の開始前から大勢の人が集まった。

その友人のお宅は1階部分に土砂が流れ込んで半壊、みなし仮設住宅で暮らしているという。
「自身も大変なときに、感謝の気持ちしかない」と中山さんは話す。

たくさんの人の善意に支えられて



無料フリーマーケットの物資は、中山さんや島袋さんが所属する子ども会や習い事のグループ、子どもを通じて知り合ったママ友たちに声をかけて集めた。
ありがたいことに、2tトラックいっぱいの物資が集まったという。
感謝の気持ちを込めて、届けてくれた人たちの写真を撮影した。

「買い物に行けないから困ってたんよ」

1回目の時に、ボランティア関係者から「生活用品はほぼいきわたっているから必要ない」という声もあがったという。

しかし、ふたを開けてみると買い物にでる手段のない高齢の方から、
「足がないから(交通手段がないから)、買いたいものがあっても買い物にも行けなくて困ってたんよ。助かるわあ」と感謝され、衣類や食器、雑貨類が飛ぶようになくなり大盛況だった。

これには必要ないと言っていた人も驚き、「次はいつやるの?」と応援してくれるようになったという。

2回目の無料フリーマーケットも大盛況



1回目は生活用品なら何でもということで集めたが、その後、収納ケースやカラーボックスの需要が大きいことがわかり、2回目の10月14日は、募金を募ってカラーボックスを24個購入して持参した。

開始と同時に、カラーボックスはあっという間になくなった。
寒くなってきたからと集めた、冬服や毛布類も人気で、「おばあちゃんの家にもあげよう」と2,3枚持ち帰る人もいた。

リヤカーを用意して、たくさんの荷物を運ぶ姿も

野草の教室に通っているという島袋さんは、ブースの一画で自家製のアップルシナモンティーや友人がこの日のために作ってくれたクッキーを持参して、来場者に無料でふるまった。

温かいお茶とお菓子を前にみんなの会話も弾む。
「元気にしとったん?」と久々の再開を喜ぶ姿も見られた。

お店の多くが閉店し、近所の人が集う場所もなくなった。
「こうして人が集まり、何気ない会話ができる場所がありがたい」
そんな声も聞かれた。

支援する人と支援される人。互いに助け、助けられて。

片付ける時間も近づいた頃、近所で行事に参加していた子ども達がたくさん駆けつけてくれた。
鉛筆や積み木など思い思いのものを手に取って帰っていく。

終了すると、どこからともなく地元の人たちも集まってきて、片付けを手伝ってくれた。

支援する人と支援される人との間に境界線はない。
助けて、助けられて。
人は“お互いさま”で成り立っている。

最後に撮影させてもらった記念写真。
みんなの笑顔がまぶしい。

2回の活動を通じて大きなやりがいを感じたという中山さんと島袋さん。
だが、余った物資の保管場所や資金のやりくりなど、継続するには課題も山積みだ。
小さな子どもを持つ二人は、自分たちができることの限界も感じている。

「本末転倒ということにならないように、無理せずにゆるく続けていけたなら」と中山さん。
いろいろな葛藤はあるが、焦らず答えをだしていくつもりだ。

<お願い>
今後の活動として、12月以降に小屋浦地区で炊き出しと、春には花の苗を配るなどの支援を考えているそうだ。
現在、そのための募金の協力を呼びかけているという。
彼女たちの活動を応援してくださる方は、下記の宛先までご連絡を。

問い合わせ先/島袋・中山
geni-hiroshima@outlook .jp

 

いまできること取材班

文・写真 イソナガアキコ

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