取材班による現地レポート

必要な人に、必要な支援を素早く届けたい。KUREP「毛布支援プロジェクト」

2018.10.30

呉のタウン情報をWEBとSNSを使って発信するオウンドメディア『KUREP(クレップ)』を運営する浦山寧子(うらやまやすこ)さんが10月、『スマートサプライ』というシステムを使った『毛布支援プロジェクト』を立ち上げた。

被災直後から現地の様子をリアルタイムでリポートしながら、ボランティア活動を続ける浦山さんに、このプロジェクトについて詳しく聞いた。

KUREPが進める毛布支援プロジェクトとは?

10月14日、安芸郡坂町の小屋浦地区で取材をしていたとき、「私もライターなんです」と名刺をくれた女性がいた。それが浦山寧子さんだった。
名刺には呉のオウンドメディア『KUREP』編集長と書かれていた。

その日も知人のボランティアの応援で小屋浦に駆けつけていたという彼女は、「ついこの間、立ち上げたばかり」という毛布支援プロジェクトのことを教えてくれた。
Amazonの欲しいものリストと連動させた最新の支援システム『スマートサプライ』を利用し、WEB上のボタンをクリックするだけで、被災地に素早く毛布を届ける仕組みだという。

このシステムを使って安芸郡坂町の小屋浦地区に新品の毛布を30枚届けたばかりで、来週には呉市安浦町にも毛布を届ける予定だという。さっそく取材をさせてもらうことになった。

たった4日間で30枚の新品毛布が集まった!

取材当日の10月18日、天気は快晴。訪れた場所は、呉市安浦町の信楽寺(しんぎょうじ)。
JR安浦駅から徒歩約10分、あんな大きな災害が起きたとは俄かに信じがたいほど、のどかな田園風景の中にあった。

JR安浦駅周辺は中畑川の決壊により水没し、甚大な被害が出た場所だ。信楽寺は災害直後から炊き出しをしたり、ボランティアの宿泊場所として寺を開放するなどして、この地区のボランティア拠点になってきた。

写真は、信楽寺のご住職である廣幡康祐さんと妻の彩(かさね)さん。 二人で近隣の被災者やボランティアに携わる人を支え、見守っている

9月には50人ほどの有志と一緒に、お寺に集まった支援物資を無料で配るフリーマーケットも開き、3日間でのべ150世帯約300人の方が集まった。
今回の浦山さんの毛布支援プロジェクトでも、毛布の保管と、信楽寺が開催している『てらかふぇ』で毛布を引き渡すことを引き受けてくれたという。

『てらかふぇ』で2回目の無料フリーマーケットも開くということで、その日は信楽寺に数人が集まって打ち合わせをしていた

本当に必要な物を、必要な人に届けたい

「本当に必要としている物を、必要としている人に今すぐ届けたい」
それはボランティア活動に携わる全ての人の願いだ。

安浦町を中心に活動している今村櫻(いまむらさくら)さん(写真左)は、被災した方から「毛布が足りない」という話を聞き、すぐに浦山さんに伝えた。それが10月8日のことだった。

それを聞いた浦山さんは、翌10月9日には被災地を支援するための物資やサービスのマッチングシステム『スマートサプライ』の担当者と打ち合わせをして、安浦町への毛布を募るページ用の情報や文章をまとめた。

10月10日には浦山さんが用意した毛布支援を募るページが公開され、即日、新品の毛布30枚が集まりプロジェクト達成。
「毛布が足りない」という被災者の声を聞いてからわずか4日後の10月11日には、信楽寺に新品の毛布30枚が届いた。

「公平性を重んじる行政はいろいろな問題もあってとにかく対応が遅い。浦山さんはたった4日で今、一番必要な新品の毛布を30枚届けてくれた。そして集まった物資を受けいれてくれる信楽寺という存在があった。そういった一連の連携があってこそ実現した支援」。
自らも、情報収集などに奔走した今村さんは言う。

仮設住宅には行政から一律的に配布された毛布が届いている場所もあったが、それらの毛布は薄くて寒さをしのぐには不十分だという声も、浦山さんの耳に入っていた

「『スマートサプライ』というシステムのいいところは、支援してもらいたい物資を細かく指定できるところ。せっかく送るなら、ちゃんと暖のとれる温かい毛布を使ってもらいたかった。だからメーカーも指定して2枚重ねの毛布にしました。色や柄もこだわったんです」と浦山さん。
「被災者のためにできる最善のことを」という想いで活動されているのがよくわかる。

10月19日の無料フリーマーケット当日は残念ながら取材に行かれなかったため、後日、今村さんに写真を送っていただいた。

毛布を手に笑顔を見せてくれる写真に、見ているこちらまで笑顔がこぼれてくる。
今晩から、この毛布が皆さんの身体も心も温かく包み込んでくれるに違いない。

<関連サイト>
KUREP
KUREP(Facebook)

スマートサプライ
スマートサバイバープロジェクトが提供するスマートサプライとは、「必要な人に 必要な支援を 必要な分だけ届ける」というコンセプトのもと、支援の進捗状況や「今何が必要か?」をグラフや写真で「見える化」し、必要な人に必要な支援を必要な分だけ届けることができる最新システム。全額そのまま現地の支援に使われる。

いまできること取材班
文・写真 イソナガアキコ

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