取材班による現地レポート

復興の願いを乗せて「クリスマスチャリティバルーンナイト」

2018.12.20

広島市南区宇品生まれの行政書士、内海祐一郎さん(34)。
本業の傍ら、みなとフェスタ実行委員会広報部として活動。また、地元・宇品が好きなあまりProduction UJINAMANIAという地域盛り上げ団体を立ち上げ、プロデューサーとしても奔走するアツい男だ。

2018年7月、内海さんは地域団体からの助成金や、広島港のにぎわいづくりを目指す人、団体の協力を得て、七夕の夜空に、願いを込めた白い風船を飛ばす「七夕バルーンナイトin宇品」企画を立ち上げた。会場は広島みなと公園。夜空に飛ばした約1000個の風船を、大型のLED照明でライトアップするというもの。風船は、環境に配慮し、海や山に落ちても害のない天然ゴム100%で、紐は木綿糸を使用。照明業者や屋台の出店も決まり、あとは7日の夜を待つばかりだった。

 

しかし、5日から降り続いた雨は、翌日になっても止む気配がなかった。6日には広島市内全域に避難勧告が出たため、内海さんは来場者の安全を最優先し、いち早く開催中止を決定した。
「消失感がただよう中、泣く泣くイベント中止の文書を書きました。しかしあきらめない、と思っていました」と、この時の気持ちを振り返る。
中止を知らせるフェイスブックには「安全確保最優先。英断と勇気に敬服です」「再挑戦を全力で応援したい」「苦渋の決断の気持ちはよく分かります」との書き込みが相次いだ。

 

翌7日朝、内海さんの愛する宇品地区も、被害が出た。
内海さんは、仕事や地域活動の傍ら、宇品地区や似島へボランティアに向かった。
特に、高齢化が進んでいる似島は道が狭く、重機が入れない場が多いため、ボランティアが土砂を土のうに詰め、一輪車で運び出すしかない。内海さんは自らボランティアセンターの運営に関わり、復旧に尽力した。

あちこちからボランティアが集まり、気持ちを一つにして復興支援に励んだことで、夏に実現できなかったバルーンナイトを思い出した内海さん。次第に「災害の記憶が薄れる前に、みんなで復興の願いを込めて風船を飛ばそう。今こそ、地域の絆を深めるときではないか」との思いが強くなっていった。予算はギリギリで、再チャレンジへの道のりは楽ではなかったが、いつしか彼と思いを同じくする人たちが集結。12月23日に「クリスマスチャリティバルーンナイト」を開催することになった。

当日は18時頃、風船1000個を無料配布する。
前回予定していた内容と同様、真っ暗な夜空に舞う風船をLED照明で照らす。
「復興の願いを込めて。人との絆、地域のつながりを大切に。多くの人に集まっていただきたい」と内海さん。
「究極のインスタ映えシーンが見られると思います。カメラマンやインスタグラマーにも集まってもらって、復興しつつある宇品の魅力も発信してもらえたら」

12月23日は、宇品でいつもと違った夜空が見られそう。
災害を乗り越え開催にこぎつけた内海さんにとって、この日を無事迎えた宇品住民にとって、きっと、忘れられない夜になる。

クリスマスチャリティ バルーンナイト in うじな
2018年12月23日(日)10時~18時頃
・会場 広島みなと公園
・参加費 無料

 

いまできること取材班

文 門田聖子(ぶるぼん企画室)

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