取材班による現地レポート

呉市の小学校で防災授業&講座

2019.07.30

「自分たちの命は自分たちで守る」という自助・共助の意識が高まり、安全教育の重要性が注目されている。被災地、呉の小学校で行われた防災授業を取材した。

 

地元出身の防災家を招いての講演会

6月16日、昭和南小学校(呉市焼山此原町)体育館に、同小5・6年生とその保護者が集まった。呉市出身の防災家、野村功次郎さんを講師に迎えての防災学習講演会の参加者だ。

会場の体育館には、立ち見が出るほどの参加者。

講師の野村さん。講演会前には教室で、防災特別授業も行った。

危機管理の基本は「予測」「予防」「対応」の3つだと語る野村さん。「自分の住む場所の地理、歴史、物理的な環境を知ることで、災害は予測しやすくなる」と身の回りへの関心を高めることの大切さを訴えた。続いて、避難時の基本ルールや連絡手段の確保なども紹介。子どもたちには登下校中の地震発生時にはランドセルで身を守ること、保護者にはLINE位置情報の活用法など生存確認手段を手ほどきした。

災害時の無料Wi-Fi「00000JAPAN」も紹介。

ランドセルで身を守る。

講演会終了後、児童は各教室に戻り、避難時に保護者が迎えに来たことを想定した「引き渡し訓練」が行われた。

講演を聞いた6年生の藤岡君兄弟は「今まであまり意識していなかったけれど、避難時に持って行くものをチェックしておきたい」「ハザードマップが絶対ではないことを知った」、両親は「地名の由来が災害に関係していることがあると初めて知った。もっと関心を持ちたい」と感想。他の保護者は「自分の命は人任せにせず、自分で守らねばならないことが分かった。子どもたちと防災について話したい」と講演を振り返った。

 

児童会では安全活動がテーマに

講演会後、同小児童会では防災や交通安全、いじめ問題なども含めた「命を守る活動」をテーマに、定期的な意見交換を行っている。

7月5日、同小では昨年の災害で亡くなった児童(当時5年生)の追悼式が行われた。児童が生前、コンクールに出品したポスターの言葉「いつまでも大切 ぼくの友だち」を紹介した江口修三校長。「友だちを、自分を大切にしてほしい」と呼び掛けた。

「安全教育への意識の高まりや、地域とのつながりの深さを、子どもたち自身も感じている」と語る江口校長。

子どもたちは今、命を守るための一歩を踏み出そうとしている。

 

いまできること取材班
取材・文 堀行丈治(ぶるぼん企画室)
写真 廣瀬佑太

一覧へ戻る