取材班による現地レポート

楽しみながら防災に触れる一日~呉市で親子向けイベント開催

2019.09.24

平成30年7月豪雨災害から1年が過ぎ、夏休みも終盤の8月25日、広まちづくりセンター(呉市広)で「ぼうさいスタンプラリー」が開催された。

会場となった広まちづくりセンターのホールでは、防災スタンプラリーをはじめ、防災に関するワークショップや新聞工作、木製玩具の体験コーナー、紙芝居、工作などが準備され、多くの親子連れでにぎわった。一般社団法人パパフレンド協会、「災害で生活が変わった子供を支援する会」、呉市による共同主催だ。

中井さん(右)とパパフレンド協会の北さん。

今回のイベントの中心的役割を果たしたのは、「災害で生活が変わった子供を支援する会」副代表の中井夏生さん。同会は、昨年の豪雨災害後に子どもたちの支援を目的として設立されたグループで、子ども用品の無料フリーマーケットや防災講座などを開催してきた。

防災士の資格を持ち、保育士でもある中井さんは「子どもやお母さんたちが防災について楽しく学ぶ機会がない」と感じていたそう。今回のイベントでは、保育士・防災士両方の立場から、子どもたちが防災について学べる内容を考えた。幼い子どもの母親で保育士の中井さんは、遊びに関するコンテンツをたくさん持ち合わせていた。また、気象館で話を聞いたり、防災イベントに顔を出したりすることでアイデアも収集した。

気象について、まずは楽しんで関心を持ってもらおうと企画されたのが、的当てゲーム。さまざまな雲の絵が描かれた的を倒すと、雲の名前や予想される天気が分かるようになっている。気象に関するパンフレットも配布し、家族と会話するきっかけにしてほしいと考えた。

卵のパックを敷き詰めた道を、アイマスクを着けて通る「サーキット」では、普段と違う足の裏の感覚に驚きおそるおそる歩く子どもや、「怖~い」と口にする子どもが見られた。参加者のサポートをしていた保育士の吉川さんは「真っ暗な夜はどんなものなのか、遊びの中で学んでもらえたら。寝て起きたときはみんな裸足。まずはそんな体験をすることが大切だと思います」と話していた。

家族4人で広島市内から訪れた吉岡ファミリー。父親は「昨年の豪雨災害ではボランティアに行きましたが、一年も経つと忘れがちになります。非常食や防災食、水の備蓄など、備えの大切さを改めて感じ、来てよかったと思いました」、お子さんは「怖かったけれどもう一回やってみたい」と話していた。

ひときわ多くの子どもが集まったのが「木育」コーナー。
たむろ木材カンパニーの協力で、広島県産木を使った木のおもちゃがずらり。子供たちは安心安全な木で創作遊びを自由に楽しんでいた。

今年4月に夫の転勤で呉市へ越してきたという吉田さんは、11カ月の子どもと一緒に来場。レモンの形のおもちゃで遊ばせながら「被災時のことは何も分からないのですが、呉市に来て災害・防災について意識が高まりました」と話していた。

「瀬戸内紙芝居」の河野輝之さんによる紙芝居も披露された。珍しさも手伝って目を輝かせる子どもたち。拍子木の音ではじまり、はじまり~。

全てのスタンプを集めると、プレゼントがもらえる。

一般社団法人パパフレンド協会の北佳弘さんは「豪雨災害の後、被災地では子どもが安心して遊べる場がないという声を聞き“子ども達の笑顔を守るプロジェクト”を発足させ、遊び場の提供を行ってきました。今回のイベントは、報道や周囲の反応によるアニバーサリー反応が懸念される子ども達の心のケアとして実施。イベントを通して、豪雨の一因である地球温暖化について知り、私たちができる省エネ活動や、広島県の森林環境に関心を持つきっかけになってほしい。」と話していた。

この日の来場者は200人。楽しそうな子どもたちの笑顔から、「防災を楽しく学んでほしい」という思いはしっかり伝わったに違いない。

 

 

いまできること取材班
取材・文 門田聖子(ぶるぼん企画室)
写真 堀行丈治(ぶるぼん企画室)

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