取材班による現地レポート

防災 減災 いどばたかいぎ 第7回ボランティア交流サミットひろしま~オープニングセッション&分科会報告

2020.03.10

「防災 減災 いどばたかいぎ 第7回ボランティア交流サミットひろしま~私たちだからできる。被災者支援ボランティア活動と地域づくり~Withこれまでの経験をこれからの防災・減災につなげるフォーラム」が、2月2日、広島県社会福祉会館を会場に開催された。ボランティア交流サミットひろしま実行委員会、広島県社会福祉協議会(広島県ボランティアセンター)、ひろしまNPOセンター主催。

参加対象は、ボランティア活動や市民活動をしている人、またはそれらに関心がある人、社会福祉協議会や中間支援組織、行政、大学、学校、企業等でボランティアや市民活動に関わる人などで、広島県内外の146人が参加した。

会場は、受け付け開始直後からものすごい熱気で、久々の再会を喜ぶ人たち、感謝や近況を伝え合う人たちで盛り上がっていた。

メイン会場には、平成30年7月豪雨災害で活発に活動した東広島市内の3つの大学と社会福祉協議会が、それぞれボランティア活動写真を展示。災害時だけでなく平時の活動の様子に、足を止めて見入る人が多く、写真が伝える真実の力に改めて気付かされる。

開会に先立ち、主催者の広島県社会福祉協議会 常務理事兼事務局長の衣笠正純さんがあいさつ。

「自然災害時の、ボランティアによる被災者支援が社会的に不可欠になってきました。その一方で、災害ボランティア活動が、日常のボランティア活動にストレートに結びついていないという状況があります。また、ボランティアに関係している人の高齢化、団体の担い手の不足、活動の停滞や中止といった課題もあります。参加者の皆さんが交流し、それぞれが抱える課題の解決とお互いが支え合う地域づくりにつながればと願っています」

午前・午後とそれぞれ3つの会場に分かれて、6つの分科会が開催された。分科会の内容は以下の通り。

A:災害ボランティア活動をきっかけにした地域づくり~“思い”をつなげていくために必要な3つの視点~

B:誰も取り残さない災害支援~支援が届きにくい人たちの声を聞こう~

C:多様な支援者との連携やネットワークのつくり方~できたこと、できなかったこと、とりくみたいこと~

D:災害時にも活きる、日頃のボランティア活動、地域活動~つながりから生まれる、ともに暮らしていく地域づくり~

E:防災ゲームを活用した、防災、減災の取り組み~災害への備え、自分とは異なる意見、価値観の存在に気づく~

F:これでいいのか、若者ボランティア~ぶっちゃけます、若者の本音~

日常の中に防災、減災、見守りを

分科会Aは、「災害ボランティア活動をきっかけにした地域づくり~“思い”をつなげていくために必要な3つの視点~」と題し、3人の登壇者の意見を聞いたのち、ワークショップで意見交換を行った。災害ボランティア活動に寄せられた「思い」を、日頃の生活の中での防災、減災、見守り活動などにつなげていくために、これからの地域づくりを考えることを目的としている。52人が参加した。

登壇者は、東広島市社会福祉協議会 生活支援コーディネーターの山本公仁子さん、東広島市高屋町宮領西自治会会長の木村一彦さん、NPO法人IMAGINUS(イマジナス)災害ボランティアコーディネート事業部の鬼村はるかさん。

災害ボランティアセンターと地域住民の関わり

始めに、山本さん、木村さんがボランティアセンターの運営と、東広島市高屋町宮領西の自治会の動きについて説明した。

同ボランティアセンターは、コミュニティマッチング主体であったことが特徴。これは、通常時の地域福祉活動を生かした取り組みで、地域ごとに地域担当者(生活支援コーディネーター)を配置し、地域住民と一緒に地域の課題解決に取り組むコーディネート手法。平素からの地域活動が大切になるが、誰でもやる気さえあれば取り組める手法だけに、熱心にメモを取る参加者の姿も見られた。

「安全で安心して暮らせる地域づくりにおいて、大切なのは『おせっかい』という共助、『集い』という共助&公助と考える」と山本さんが結んだ言葉が印象的。

若者とボランティア活動の接点

続いて、NPO法人IMAGINUS 防災ボランティアコーディネート事業部の鬼村はるかさんが、これまでの事業内容の説明と、「若者が根付く地域ボランティア」について説明した。

NPO法人IMAGINUSは、緊急時被災地ボランティア派遣や防災活動、インドでのストリートチルドレンのシェルターハウス運営、国際教育の推進を3本柱とし活動している団体。

「私が住んでいる地域の人たちは、若者のボランティア活動を報告する場を設けることで、若者たちを地域に溶け込ませてくれます。そんな道筋を作ってくれる、地域のキーパーソンが必要なのではないでしょうか。今後も、若者と地域をつなげる、若者が根付く地域ボランティア活動をしていきたい」と述べた。大学時代から災害ボランティアとして活動してきた20代の若者の言葉だからこそ、伝わるものがあった。

地域づくりに必要なこと

その後、会場内の参加者は13のグループに分かれ、「災害を日常の地域づくりにつなげるキーワードとして『●●が大切』」ということをテーマにトークし、発表した。

1グループは5~8人程度。自己紹介ののち、一人一人が大切に思うことやその理由を発表し、体験や感想を共有しながら、グループで1つの答えを発表した。

「日頃のつながり」「普段のコミュニティ」「ネットワークづくり」「人に伝えること」「声掛け」「出会いの場」「地域の顔が見える」「強制力」と、多様な意見が出た。

江田島から参加した生活支援コーディネーターの山戸由紀子さんは「つながりが欲しいものの、縦・横のつながりがなかなかうまくいかないのが課題。地域でのカフェ開催の話は、大きなヒントになりました」と感想。

熱気に満ちたトークセッション後は、名刺交換し談笑する人たちも見られた。地域の事例を参考にしたり、ヒントをもらったりと、意識を同じくする者同士、有意義な交流となったようだ。

災害ボランティア活動を通じて生まれた、新たな地域づくりの事例は、参加者の心に響いた様子。それぞれが得たものを、自分の地域にフィードバックさせてくれるだろう。

 

いまできること取材班
取材・文 門田聖子(ぶるぼん企画室)
写真 堀行丈治(ぶるぼん企画室)

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