取材班による現地レポート

第7回 ボランティア交流サミットひろしま クロージングセッション

2020.03.13

2月2日に広島県社会福祉会館で開催された「防災 減災 いどばたかいぎ 第7回ボランティア交流サミットひろしま」。その締めくくりとして、これからの防災、減災、地域づくりに向けてボランティア活動の可能性を探るためのクロージングセッションを行った。オープニングセッション同様、会場がほぼ満席になるほどの参加者が集った。

クロージングセッションでは、午前・午後と開催された6つの分科会の総括のほか、来場者の意見が、予定時間ギリギリまで活発に交わされた。

コーディネーターは、NPO法人ANT-Hiroshima理事長で、ボランティア交流サミットひろしま実行委員会委員長の渡部朋子さん。終始明るいトークで進行していった。

この日の最年少、小学1年生と、中学1年生の姉弟、そして母親の3人で参加した上野さんファミリーの紹介があった。中1の娘さんから「午前は分科会Cに参加し、SNSで写真をアップしボランティアの現状を知らせるボラ写の活動を聞きました。SNSでボランティアを増やす活動がいいなと思いました。午後は分科会Dに参加し、日頃から地域の交流が深まっていれば災害時にも役立ち、助かる命が多いということが分かりました」と感想の発表があった。

その後、分科会のファシリテーター、コメンテーター、パネリストが登壇。分科会の内容について総括した。

経験を地域で生かすことが大切

分科会Aは、「災害ボランティアをきっかけにした地域づくり」をテーマに2つの事例を発表、その後ディスカッションを行った。

「今後の防災・減災のために、つながりや関係性づくりが大切だが、どんな関係を、誰と作っていくか、みんなの経験を伝えていってほしい。生きたネットワークを作ることが大切」と結んだ。

近隣と顔の見えるお付き合いを

分科会Bのテーマは、「誰も取り残さない災害支援」。

「例えば障害を持つ人、外国人、アレルギーがあって配布される食べ物が食べられない、衣料が使えない子どもがいるとしたら、苦労していることを広く知ってもらうべき。最後は人と人とのつながりが大切。日頃から顔が見えるお付き合いを」と伝えた。

付け加えて、障害者生活支援センター てごーす 事務局次長の畑さんが「災害が起こるたびに仮設住宅のバリアフリー化を訴えている。段差のある仮設住宅ではなくて、誰でも行き来できるバリアフリーの仮設住宅の実現を」と話した。

誰かとつながることで視野が広がる

分科会Cでは、「多様な支援者との連携やネットワークのつくり方」をテーマに、3人の活動紹介を聞きながらディスカッション。「しっかりネットワークを広げ、質を深め高さを出す、そういう立体的な活動をしていくことが大切。誰かとつながることで、今までの自分の考えが広がっていくはず。『この課題を解決したいから、誰かと手を組もう』と考えるきっかけになるのでは」と話した。

日頃の活動が災害時に生きる

分科会Dでは、「災害時にも活きる、日頃のボランティア活動、地域活動」について、福山市の町内会の中山会長から「日頃の活発な町内会活動が、独自の活動支援につながった」という報告があった。広島市安佐南区社会福祉協議会の石田事務局長は、居住地である海田町が被災し自宅も被害があったそう。「町内会は活発ではないが、子供会の日頃のつながりがコミュニケーションにつながり、災害時に近所の声掛けにつながった」という報告があった。

対話と相互理解が災害時に役立つ

「防災カードゲーム」(クロスロード)を使ったセッションを行った分科会E。各グループの議論が白熱し、終わらないくらいの盛り上がり。

「ボランティアは強制されてやるものではない。防災、減災、地域づくりを目指す中で、いろんな意見が出るので、地域の人と一緒に話してみませんか」という話や、「リーダーが率先して引っ張っていくこともあるが、こういう人がいるよ、とお互い話をして状況を共有することも必要」という話もあった。

若者のパワーを活かすために

分科会Fでは、ボランティア活動をしていても不安を抱えている学生たちの気持ちを聞き、どうしたら若者たちが力を発揮し、ベテラン経験者と一緒に話をし、他世代と支え合える関係を築けるか、を話し合った。活動の中で困り事が次々と出てくる現状や、金銭面、学生特有の頻繁な世代交代、先輩たちの思いを引き継ぐ難しさなどの課題も共有した。

総括の後は、参加者の意見発表があった。

「ボランティアをしていると、健康寿命が延びるそうだ。近所の人への声掛け、『近助』という言葉も使っていけばいいな」など、意欲的なトークが交わされた。

「今日皆さんの話を聞き、まとめるとすれば『会って、話して、つながろう』に尽きる。このスローガンは、短くて分かりやすいので、唱和しませんか」という声に拍手が上がり、会場の全員で唱和。会場の全員の心が一つになった瞬間だった。

絆生む「しゃべり場」をこれからも

閉会のあいさつは、ひろしまNPOセンター代表理事、中村隆行さん。

「立場を異にする今日のような『しゃべり場』が、これから絆やつながりを作ると確信しました。この場の話し合いだけではなく、地域や団体でもしっかりしゃべり場が展開されることで、優しい社会になるのではと思っています」

会場は、再会を誓い合う拍手で閉会した。クロージングセッションまで参加した人たちの熱意は、次回に引き継がれることだろう。

 

いまできること取材班
取材・文 門田聖子(ぶるぼん企画室)
写真 堀行丈治(ぶるぼん企画室)

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