取材班による現地レポート

手作り楽器で奏でる 復興の音色

2019.09.01

宇和島市吉田町奥南地区の魅力を発信するNPO法人「奥南でざいんセンター」の奥谷さんたちは、西日本豪雨で被災したミカンの木を使って楽器を製作しています。

奥谷さん(左)、西野さん(右)とミカンの木で作った楽器

ミカンの木がもったいない

楽器の製作に乗り出したきっかけは改植。奥南でざいんセンターのメンバーは、以前から改植でたくさんの木を捨てることがもったいないと感じていました。何かに利用できないかと考えていた時、メンバー間の何気ない会話から楽器を製作することが決まりました。2018年4月、地域の農家から木を集め、大工の西野さんが中心となって作業を始めました。さらに、2018年7月の西日本豪雨災害で園地から流出したミカンの木を取り入れました。エレキギターは約半年、スネアドラムは約3カ月かけて完成。音の響きが良く、本格的な仕上がりです。

「ミカンの木で楽器を作ったのはたぶん世界初」と話す奥谷さん

復興に繋がること 「伝えること」

「自分達にできることは災害の記憶を“伝えること”。特技を持つ人が集まって、それを活かす。それしかないと思った」。2019年5月、復興に関わったメンバーらで協力し、吉田町奥浦でみかんフェスティバルを開催しました。バンドを組み、ミカンの木で作った楽器で演奏し、地域に復興の音色を奏でました。そして、来場者に被災した木で作った楽器であるということを伝えました。奥谷さんたちは「この楽器が残り、西日本豪雨の記憶を忘れなければいい」と願い、これからもかんきつの魅力や多様性を発信します。

復興の音色を奏でたみかんフェスティバル

奥谷 篤巳(おくたに あつみ)さん(39)

プロフィール
西日本豪雨で被災した宇和島市吉田町のかんきつ農家。柑橘ソムリエ理事、NPO法人奥南でざいんセンター会長。

西野 繁輝(にしの しげき)さん(43)

プロフィール
宇和島市吉田町の大工。実家がかんきつ農家。NPO法人奥南でざいんセンター所属。

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