取材班による現地レポート

子どもの笑顔を取り戻す キッズウエルカムツアー

2018.10.31

平成30年7月豪雨の直後、倉敷市真備町に住む子どもたちを心配し活動を始めた人たちがいる。松下政経塾の知恵と経験をもとに、2002年にスタートした地元岡山を愛する人を育てる「岡山政経塾」のOB7人だ。会社経営者、主婦、元教師、元アナウンサー、子育て中の親と様々なメンバーがいる。夏休みに入る前、避難所にいた子どもたちは、窮屈でストレスのかかる状況にあった。言いたいことが言えない。遊びたくても遊べない。そんな子どもたちの笑顔を取り戻すための「キッズウエルカムツアー」を企画した。

キッズウエルカムツアーのスタート

第1回目のツアーを7月17日に開催した。多くの団体に協力いただき、川辺小学校の約25人を乗せたバスは、大きな倉庫が全て駄菓子という「大町」へ。目をキラキラさせながら300円分のお買い物を楽しんだ。バスに乗る頃には硬い表情の子どもたちも笑顔を見せるようになった。水鉄砲でキャーキャーと大騒ぎして遊び、美容室「Papass」の協力により髪の毛のカットも行いリフレッシュ。友達と一緒にご飯を食べ、思いっきり遊ぶことができた。

早く笑顔を取り戻したい

避難した場所はそれぞれ。友達と一緒に遊べない。大人たちは日中片付けに追われ疲れて帰ってくる。また、親戚のお家や避難所では気を使いながら生活している。片付けを手伝うこともできず、ただただストレスを抱え込んでしまうことも少なくない。1番気にしていたことは、スピードだと言う。とにかく早く、ストレスを溜め込んでしまう前に行うこと。昼夜を問わず、LINEを使い打ち合わせをおこなった。

成功のカギはお母さんたちとの連携

現地のお母さんたちとの連携があったからこそ活動できたとスタッフは話す。子どもたちの状況やどういった心のケアが必要かを教えてくれたのはお母さんたちだった。FacebookなどSNSを活用することで国内外からの支援をいただくこともできた。夏休み期間中に5回、約120人以上の子どもたちの笑顔を取り戻すことができた。回を重ねるごとに協力してくれる人も増え、スタッフも自分のできることを、役割分担を担い活動を継続してきた。

10月13日は、第6回キッズウエルカムツアーを開催。めぐみ農場(岡山市東区)で落花生の収穫体験をした後、岡山県自然保護センター(和気町)でネイチャーゲームをして遊んだ。めぐみ農園も被災しており、多くの農作物が収穫できなかった。そんな中、大きく成長した落花生の収穫体験を子どもたちに提供したいとの申し出をいただき、実現した。バッタとりをする子もいれば、思いっきり走る子もいた。子どもたちは同級生と遊べて、ホッとした顔を見せていた。

 

いまできること取材班
文章:榎本尚子
写真:キッズウエルカムプロジェクト提供
編集:松原龍之

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