取材班による現地レポート

「MABI PAPER」高校生が被災地に寄り添い、記録し、発信する 

2019.02.01

「MABI PAPER」と「#おかやまJKnote」メンバーのみなさん

「MABI PAPER」は、岡山県内の高校生の有志団体「#おかやまJKnote(ノート)」のメンバーが一般社団法人SGSGの支えのもと、平成30年7月豪雨によって被災された方々の声や支援情報を集め作っている新聞。8月10日に第1号が発行され現在14号を倉敷市真備町を中心に配布しています。

今回は「MABI PAPER」について、「#おかやまJKnote」の制作に携わっている高校生たちにお話を伺いました。

 

被災地に明るいニュースを届けたい

-「MABI PAPER」が生まれるまでの経緯を教えてください。
企画がはじまったのは豪雨災害があってから約1週間後のことでした。「#おかやまJKnote」の緊急会議で、私たちに何かできることはないだろうかと話し合った結果、被災された方々の元気がでるようなニュースを届けたいという話になりました。私の同学年の友人は、被災したにも関わらず、翌週7月10日に開催された「第73回国民体育大会相撲競技岡山予選会」にむけて相撲の練習をし、準優勝することができました。災害に巻き込まれても懸命に日々を生きる人の力や喜びをニュースで伝えることで多くの人と共有したい。被災された方と接する機会をもらい、心の声を集めて届けたいと思い活動をスタートしました。

災害で携帯電話をなくされた方や普段からスマホを使わない高齢の方にも読んでもらえるように紙で発行することにしました。

「#おかやまJKnote」岡山豪雨支援緊急会議のようす

人々の心の声に寄り添うこと

 -実際に現地取材をする中で大変だったことや、印象に残ったことはありますか?
第1号の取材では、避難所に避難されている方々に気を配りながら取材をしていました。被災された方にどのように声を掛けたら良いかわからず、不安でした。お話をされている途中で災害時の記憶がよみがえり、涙される方もいらっしゃいました。悲しい思い出も含め、その人のそばに寄り添いながら話を聞き、受けとめることが大事だと思うようになりました。

テレビで取材して頂く機会をもらい、活動の認知度があがったことで、被災された方から警戒されることも少なくなりました。最近では進んでもらいにきてくださる方や、定期便を求めてくださる方もいらっしゃいます。

「#おかやまJKnote」メンバー の現地取材の様子

災害から3カ月が経った10月頃、テレビから被災地の情報を聞かなくなっていました。私たちは復興が進んでいるのだと思い込んでいましたが、真備町を訪れ取材をしてみれば、多くの方が2、3割とまだまだ進んでいないとこたえられたのです。

テレビなどメディアを通して聞いていた内容と現地の声とでは、全然違うことに衝撃を覚え現地におもむいて現地の方の声を聞くことの重要性を感じました。

 

「平成30年7月豪雨」を忘れないために・・・ 

「#おかやまJKnote」メンバー 現地取材の様子2

-「MABI PAPER」の取材でわかったことや、今後の目標について教えてください。
取材で被災された方の声を聞くなかで、ニーズはどんどん変わっていくことが分かりました。8月頃の取材では避難所で暮らしている方も多かったので、生活必需品や物資のことなど、避難所生活での問題解決のできる情報を載せて欲しいという意見が多かった。最近では、これからの生活に対する不安を聞くことが多く感じられる。みなし住宅は2年しか住めないことから、2年間の間に家の再建をするのか、あるいはまた別のアパートを借りるのかなど、特に高齢者は生活を取り戻すために、課題が山積みに感じ不安を隠せないようです。

災害が日本各地で起こり、メディアから豪雨災害のことをあまり取り上げなくなり、岡山県内で暮らしている方ですら、関心が薄れ始めているように感じる。私たちは、「MABI PAPER」を通じて「まだできることはあるよ、助けられる人はいるよ」と発信していく。また、次に災害が起こった時のために、真備町を忘れないように、「今の真備町」を引き続き記録していきたいと思っています。

 

いまできること取材班
文章:山口百香
写真:山口百香、「#おかやまJKnote」提供
編集:松原龍之

一覧へ戻る