取材班による現地レポート

グリーンコープの活動(前編) 炊き出し・衣類の提供

2019.02.24

「グリーンコープ生活協同組合」とは

岡山のほか、九州・中国地方と大阪などに拠点を持つ生活協同組合。組合員は、店舗や配達で食品と石鹸などの日用品の購入をすることができる。現在、42万世帯の人が利用している。安心・安全なものを届けるだけでなく、しょう油やみりんなどの液体調味料の瓶は、リユース容器を使用するなど環境に対する配慮も積極的に行なっている。東日本大震災後は、組合員の声に応え供給する取り扱い商品の放射能汚染について、独自の厳密な放射能測定(自主検査)もおこない、その情報を公開している。

グリーンコープの炊き出し

9月24日真備町にある川辺小学校でグリーンコープ主催の炊き出しが行われた。同地区はほとんどの家が浸水し、住むことが出来ないでいる。この日のために大阪・兵庫・鳥取・熊本からグリーンコープスタッフが駆けつけた。中には2016年の熊本地震で被災した熊本からも応援に来ていた。

炊き出しは、少しでも食がすすむようにと、組合員が母親の視点で考えたメニュー・ミートソースパスタを提供。子どもたちのデザートには、2つに折る氷菓「チューペット」(グリーンコープ商品名:リトルポッキンチュー)とりんご。飲み物はびん牛乳、コーヒー飲料を用意した。調味料の塩に至るまで全ての食品に遺伝子組み換え主原料不使用の食材で振舞われた。

パスタはどんどん茹で上がり、約400人の行列が出来た。避難所での炊き出し経験を生かし、地面に養生テープを貼り、混雑することもなく、開始から30分でパスタは無くなってしまった。

りんごやデザートは子どもたちが担当していた。これまでも炊き出しに参加し、協力してきた子どもたちは、初めて参加する大人よりも手際がよく驚かされた。子どもたちの姿に、炊き出しをもらいにきた川辺地区の皆さんも元気づけられたようだった。

「衣類の無料配布」もグリーンコープによって行われた

グリーンコープ は以前から「ファイバーリサイクル事業」を、衣類を「あげる」や「与える」ではなく、「衣類を生かす」という概念で行っている。組合員からシミ、虫食い、毛玉のない洗濯済みの衣類を回収し、住まいや職を失い生活に困窮する人たちの就労支援活動として衣類の分別やパキスタンへの送り出し準備などを行っている。約60種類に分別された衣類はパキスタン・カラチ市に送られる。パキスタンの卸売業者に販売され、売上は無料の学校の運営・教材・給食・自立のための職業訓練などの資金になる。1回分の売上で約250人の子どもが1年間学校へ通うことができるそうだ。

この事業で集められた衣類を、これから寒くなる真備町へ冬物衣類を中心に配布した。古着を提供する支援は、服の状態やクリーニングをしている・していないなど、難しい課題に直面することが多い。ファイバーリサイクル事業で集めた衣類なので、その点は安心して提供することができた。

「寒くなり始め、1着も冬服を持っていないことに気づいた」や「本当に何も持っていない。今着ている類も物資支援でもらった」と言う声も聞いた。

民間が行う災害支援は、人・もの・金などの資源が尽きてしまい継続的に行うことが難しいと言われる。日常から「協同組合」というネットワークを形成することで、災害時にも継続的な支援を行う体制を持つことができる。この支援活動も鹿児島から大阪までの組合員のカンパ金で行われている。改めて人と人のつながりの心強さに感謝した。

後編につづく

 

いまできること取材班
文章・撮影:小野直子
編集:松原龍之

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