取材班による現地レポート

仮設団地の生活課題は多岐にわたる〜ハチの駆除〜

2019.08.27

※文末に実際のハチの画像があります。苦手な方はご注意ください。

仮設団地の生活課題は多岐にわたる

平成30年7月豪雨災害から1年が過ぎた2019年8月21日。災害直後から支援団体の力を集約するために作られた「災害支援ネットワークおかやま」の連絡用のSNSページ・フェイスブックグループに「仮設住宅のガス給湯器にハチの巣ができています。駆除をできる方いらっしゃいませんか」と投稿があった。連絡があった倉敷市真備町市場にある仮設住宅は53世帯分の集合団地となっていて、入居者の高齢者率も高いことから速やかな撤去が必要となった。私は普段、カメラマンとして多くの場所に伺う。その中で、ハチの巣の簡単な駆除をしたことが何度かあったので、引き受けることにした。

仮設住宅での暮らし

災害規模が大きかった真備町では、災害救助法の適用地域となり、応急仮設住宅が自治体によって用意された。建設型仮設住宅が6団地で266世帯分。他の地域に一般の賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設住宅」が約2400世帯。少しずつではあるが、仮設住宅から退去し、真備町内に戻って来る人も増えているという。仮設住宅には、木造の仮設住宅、私が伺った市場団地などのプレハブ型の仮設住宅、トレーラーハウスを利用したものもある。

ハチの巣の撤去の日

送られてきた写真からはスズメバチではなく、アシナガバチの巣・約10センチだと判断できたため、駆除を引き受けることにした。早朝と夜間、ハチの多くは巣に戻っていることが多いため、早朝の時間帯に駆除すれば飛び回るハチに刺されるリスクが少ないと判断した。少しずつ明るくなる真備町の空を見ながら、現地へ向かい6時30分頃到着した。長袖長ズボンを2枚重ねにして、上から更にレインコートを着た。長靴を履きヘルメットと防虫ネットと厚手の手袋を付け備えた。ハチの巣は、給湯器の下部に大きなシャワーヘッドの様な巣を作っていた。2m程離れた風上から、ハチ用の殺虫スプレーを噴射する。次から次へとハチが地面に落下していく。約1分間の噴射後、全てのハチが落下したことを確認してから、ハチの巣を撤去した。ハチの数は90匹。想像以上の多さに関係者はみんな驚いていた。住民が刺される被害がなくて本当によかった。

 

住民課題を解決するための連携の重要性

21日にフェイスブックグループで共有され、24日にハチの巣の駆除ができた。今回に限らず、仮設住宅だからといって、自治体の力だけに頼れないこともある。住民と地域の人、ボランティアが地域課題を解決するための連携が何より重要だと感じた。災害支援ネットワークおかやまでは、より良い支援になるように、月に1度の定例会議を開くほか、SNSを活用し支援者同士がニーズやシーズを共有している。被災地でも被災地でなくても、何かあった時に多くの人が連携できることの重要性を感じられ、手を取り合える社会を望んでいる。

 

いまできること取材班
文章:白井崇裕
写真:白井崇裕・仮設住宅にお住いの方及び支援者の方から提供
編集:松原龍之

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