取材班による現地レポート

「宇和島百景プロジェクト」から見えてくる宇和島の今

2020.02.19

愛媛県宇和島市では、現在、多くの宇和島市民のみなさんにご参加いただき、宇和島市の統一的なブランドロゴマークやキャッチコピー、そしてこれから宇和島の魅力をどのようにPRしていくのかということについて、「うわじまブランド魅力化計画」という形で策定することとしています。

「宇和島百景プロジェクト」から見えてくる宇和島の今|宇和島市 | いまできること - 平成30年7月 豪雨

その市民参加型の企画の1つとして、「宇和島百景プロジェクト」を立ち上げ、2019(平成31)年4月10日から9月30日にかけて、SNSのひとつであるインスタグラムを中心に、宇和島の魅力だと感じる写真と、その投稿写真にまつわるメッセージを市内外から広く募集しました(募集期間は終了)。

投稿された写真は3,500枚あまり。なかには海外からの投稿もありました。フォロワーは3,300人を超え、今も増え続けています。

宇和島市では、たくさんのご投稿から、宇和島らしい、宇和島の魅力だと思われるものを「宇和島百景」として認定。宇和島百景の公式アカウントで紹介するほか、その一部を宇和島市のPR活動にも使用させていただく予定です。

また、令和2年2月10日には、「宇和島百景」認定写真のうち、特に優秀な作品を10点選定しました。詳細は公式サイトをご覧ください。

今回は、その中から特に印象的な写真3枚を通じて、災害復興に歩む宇和島の今をお伝えしていきたいと思います。
 

山から望む宇和島の夕陽でボランティア活動の1日をしめくくる

まずご紹介するのはこちらの写真です。

この写真は吉田町玉津地区の夕景です。玉津地区は平成30年7月豪雨で大きな被害に遭った地域の1つです。

この写真を撮影したのは災害ボランティアでこの地区を訪れた方。

これまで仲間は見ていたのにご自身はタイミングが合わず見逃していたという玉津の夕陽。太陽が沈むまで待ち、ようやく見られた初めての夕陽を撮影したのがこの写真だそうです。
このあと、農家さんから「早く降りてきさいやー」と優しく声をかけてもらったとか。

心温まるエピソードに、写真の中の夕陽の温かみも伝わってくるような感覚すら覚えます。

この他にも、災害ボランティアで宇和島を訪れた方の投稿を通じて、復興現場から見える宇和島の姿を伝えていただきました。

懸命な復旧・復興活動に携わる災害ボランティアの皆様の、日ごろからのご支援に感謝を申し上げます。

 

特急列車の車窓に映る海とみかん畑は宇和島の玄関口

次の写真をご紹介しましょう。

この写真は吉田町から隣の西予市に向かう国道から撮影したもので、宇和海とみかん畑を見ながら、JRの特急列車「宇和海」が松山方面に走っています。

県外から宇和島を訪れる交通手段に多く利用されるJRの特急列車が松山駅から宇和島駅に向かう列車の車窓に、最初に大きく映る宇和島の海の風景がこの吉田町の法華津峠です。

これまで宇和島を何度も訪れた方から、「車窓からこの風景を見ると、いよいよ宇和島に来たなと思う」と言われたことがあります。
海と段々畑の風景が、「宇和島の玄関口」といったところでしょうか。

しかし、写真をよく見ると、ところどころ災害で崩れてしまった園地があります。旅情を誘う美しい風景をなんとか残していかなければならないと、写真はそっと教えてくれるように感じます。
 

青みかんの時期に起きた豪雨災害から1年半

最後にご紹介するのはこちらの写真です。

こちらは吉田町深浦地区の写真で、「みかんの花」の背景に海が写っています。毎年、みかんの花はちょうどゴールデンウィーク頃に満開になります。

写真を撮影したのはこの園地の農家さんのようです。
みかんの花が咲いた後、みかんの木に緑色の果実ができ始めます。いわゆる「青みかん」と呼ばれるものです。

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青みかん

みかん農家のみなさんは、6月下旬ごろから「青みかん」を摘果する作業や、防除のための潅水(かんすい)作業を行います。この時期に行わないとみかんの木に大きな負荷がかかり、その年以降のみかんの品質や収穫量に大きく影響を及ぼすからです。

一昨年の7月に発生した豪雨災害は、ちょうど摘果作業の時期に発生しました。

近くにあった浄水場が破壊され吉田地区全体が断水状態となったほか、土砂災害による園地崩落や農道の寸断、散水のためのスプリンクラーや運搬用のモノレールなどの農業施設も破壊されました。

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土砂災害により崩落した柑橘園地

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土砂災害により破壊されたモノレールなどの農業施設

断水は約1か月続きました。

その間、吉田の農家のみなさんは互いに助け合い、ボランティアをはじめとする多くの方々の力を借りて壊れた農道を補修し、可能な限りの摘果作業を行いました。

また、池からポンプでくみ上げた水をタンクに入れて手作業で園地に潅水作業をするなど産地を守る懸命な努力により、その年の9月にはまさしく「復興のシンボル」として、宇和島の極早生みかんを初出荷することができました。

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豪雨災害直後の摘果作業の様子

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ポンプからくみ上げた水をタンクに入れる農家の方(宇和島百景の投稿者ではありません)

 

復興はまだ道半ば。産地を守り、今年もみかんを出荷する。

復興はまだ道半ば。産地全体のみかんの収量も災害前と比べて大きく落ち込み、土砂災害により手付かずとなった園地もありますが、今年もみかんを出荷することができています。

ただ、農家のみなさんの産地を守る取り組みはこれからが本番といっても過言ではありません。

みかんの花の写真を宇和島百景に投稿した方から次のようにメッセージが添えられています。
 
「昨年の西日本豪雨災害後はたくさんの支援を頂きありがとうございました。今年もみかんの花が咲き、生産スタートです。みかん農家前を向いて頑張ります。」
 
これまでのご支援に感謝するとともに、これからも変わらないみなさんのお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

以上、「宇和島百景プロジェクト」から見えてくる宇和島の今をお伝えしました。

 

記事提供:宇和島市
(令和2年2月)

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