日本財団

自立、再興のカギを握る「支援拠点」。益城町4地区に設置

2016.06.18

日本財団によって5月14日(土)から3週末にわたり行われた「益城町内の在宅避難者世帯の状況調査」。これは、避難所にいない被災者の生活実態を把握するための調査で、一軒一軒民家を訪問し、ヒアリングするというローラー作戦によって実施された。その結果、危険と隣り合わせで生活する多くの在宅避難者の存在が判明。詳しい調査方法・結果は、6月9日の記事「在宅避難者調査からみえる被災地・益城町の現状」と、下のグラフをぜひチェックしていただきたい。1

日本財団では、今後、大雨などによる浸水被害や土砂くずれが予測される東無田、櫛島、平田、杉堂の4地区に、避難所兼コミュニティースペースとなる支援拠点(プレハブ住宅)の設置を決定。前震から2ヵ月となる6月14日(火)、東無田地区への設置が行われると聞き、取材に向かった。

設置場所は、東無田公民館のすぐ近く。トラックに積まれたプレハブ住宅3棟が、クレーンによって慎重に運ばれていく。3棟を連結し、クーラーを設置して、畳を敷いて完成。隣にはシャワールームも設置された。搬入から完成まで、わずか半日弱というスピーディーさに驚いた。

東無田地区へトラックで運び込まれる支援拠点(プレハブ住宅)

東無田地区へトラックで運び込まれる支援拠点(プレハブ住宅)

いちばん左の建物がシャワールーム

いちばん左の建物がシャワールーム

現場で指揮をとっていた一般財団法人ダイバーシティ研究所の伊知地亮さんに話を伺った。
「支援拠点は基本的に20畳ちょっとの広さ。地域の状況によって、拠点内にはお風呂と炊事場の両方を、もしくはどちらかを備えます。避難場所としてはもちろんですが、地域の方が昼間に涼んだり、寝泊まりしたりと、普段から自由に利用していただきたいと考えています。というのも、災害が発生すると、人はいろんな意味で物を失ってしまいます。家だったり、コミュニティーだったり、地域のつながりだったり。今の益城町には、僕たちが見ている限りでいえば、“人々が集える場所”が足りません。そこで、その場所を提供することが必要だと考えました。でも、そこから先の“支援拠点の使い方”は、ぜひ地域の皆さんで考えてほしいと思います。避難生活が長引く一番の要因は、惰性化です。そういう意味では、常に次のステップへ進んでいけるように、支援する側が動いていくことが大切。被災者もそれに引っ張られて、最終的には引っ張られなくても自分たちで自走できるようになります。私たちは、被災者が離陸(自立)するために、滑走路での助走を手伝っている気持ちでいます」。

取材に応える伊知地さん

取材に応える伊知地さん

東無田地区に設置された支援拠点。この地区に来たボランティアスタッフも利用できる

東無田地区に設置された支援拠点。この地区に来たボランティアスタッフも利用できる

支援拠点の使い方は、何でもいい。人が集まることで、助け合う気持ち、つながる気持ちが、より強くなる。実感できる。そして、いずれは地域住民の自治力によって、復興への歩みは加速し、“あるべき姿”へと戻っていく。そんな未来を、伊知地さんは描いていた。

6月15日(水)は、杉堂地区に支援拠点が設置された。なお、設置期間は、現段階では冷房の必要がなくなる10月末までを目安としているという

6月15日(水)は、杉堂地区に支援拠点が設置された。なお、設置期間は、現段階では冷房の必要がなくなる10月末までを目安としているという

将棋大会や囲碁大会、みんなでゴロンとする会やマンガを読む会だっていいのかもしれない。住民が集える時間をつくることは、地域の自治力を再興するうえで、不可欠だ。日本財団としても、地域の人たちが前向きになれるイベントをどんどん考えていく予定だという。被災地でのイベントの企画やサポートは、これから大きな支援のひとつになると感じた。

※1:大地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定し、二次的災害を防止することを目的としたもの。赤(危険)、黄(要注意)、青(調査済)の紙が危険度に合わせて建物に貼られていく。

いまできること取材班
文章:高野正通
撮影:長谷和仁

6月18日 2016

企業のみなさまへ

あなたの活動を「いまできること」で広く伝えていきませんか?
現在行っている支援活動の内容をお寄せください。

情報提供フォーム