キヤノンマーケティングジャパン株式会社

企業のチカラを、被災地・熊本に。⑤ キヤノンのフォトレター出張授業

2016.10.04

企業の力は日本の大きな財産であり、被災地の復興に欠かすことはできない。
これは、熊本地震から5ヶ月の間、編集部が現地を取材してきて実感したことだった。
被災地に対する企業の支援。そこには、まとまった額の義援金や人員を被災地に送ること。そして、その企業の事業を活かした専門性の伴う支援を行うことがある。今回は日本を代表する映像・写真機器メーカーであるキヤノンに、事業を活かした被災地での取り組みについてお話をうかがった。

「一件の問い合わせから、今回の取り組みは実現したんです。」
そう話すのは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社CSR企画推進部の横井さんだ。

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社会貢献活動を担当する横井さん。キヤノンが社会に対してできることを日々追求している。

「小さなお子さんにも、写真で気持ちを伝える楽しさを体験してもらいたいという想いから、マーケティングイベントの一環として、『フォトレター出張授業』という取り組みを2008年から行い、これまでに全国の小学校39校で実施してきました。」そんな取り組みのことを知っていた、熊本市立麻生田小学校のPTAの方から、「写真を通じて楽しい思い出をつくって、子どもたちに笑顔を取り戻させてあげたい」と連絡があり、震災から約3ヶ月となる7月15日に小学3年生のひとつのクラスを対象に、出張授業を実施することになったそうだ。

震災後はじめて熊本を訪れて出張授業を実施するにあたり、授業を楽しんでくれるかどうか、不安も少なくなかったという。しかし、そんな不安は教室に入った途端に子どもたちの笑顔によって消え、元気よく授業は始まった。

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授業の説明を聞く子どもたち。はじめての体験はいつも心をワクワクさせる。

二人一組の小学生にデジタルカメラを配布。あっという間に使い方を覚えた子どもたちは、校庭に駆け出して、構図やポーズを決めながら、親や友達への感謝を表現した写真をお互いに撮影しあう。半押しでピントを合わせて、カシャッと撮る。人生ではじめてのカメラ体験に、子どもたちは夢中だ。

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デジタル機器も何のその。子どもたちは自分だけの一枚を夢中で撮っていく。

使用する写真を一枚選んだら、インクジェットプリンターPIXUSの機能を使って、写真上に感謝のメッセージを書き込み、自分だけの一枚の写真をつくっていく。

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感謝の気持ちを写真と言葉にすること。日常にはなかなかない貴重な体験だ。

横井さんは教室の光景を、思い出しながら続けた。
「親御さんたちも出張授業をとても楽しみにしてくださり、当日は授業参観のような様子でした。最後に子どもたち全員に作った写真を発表してもらいましたが、目を潤ませていた親御さんもいらっしゃいました。なかなか面と向かって伝えることのない感謝の気持ちも、写真を通してだと不思議と伝えられるんです。」子どもたちに笑顔をというきっかけで始まった今回の取り組みだったが、大人が子どもたちに元気をもらう場面も少なくなかったようだ。震災後はしばらく学校も休みとなり、遊ぶ場所や学ぶ時間がなくなり、一緒に笑う友達と会えなくなってしまったことで、子どもたちも多くのストレスを受けることになったが、地震について書いた子どもは一人もいなかったという。

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完成したフォトレター。こういったものをつくる体験の積み重ねが、熊本の未来をつくっていくはずだ。

被災地でなにが求められているかを、正確に掴むことが何より重要です。発災直後はすぐにグループ会社と協議し、被災地へ義援金を送りました。現在は、一日も早い復興に向けて、キヤノンだからできることは何かということを考えています。」と横井さんは話す。

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映像・写真機器メーカーであるキヤノンの強みを存分に活かした取り組みにより、子どもたちも楽しい時間を過ごした。

横井さんは次に起こりうる災害も見据えながら、災害支援を行うNPOと情報連携を行い、より迅速で的確な支援の方法を模索しているという。
「災害が起こったときに、被災地にはどのような支援が必要で、企業はどのような支援ができるのか。そういった情報連携を普段から行うことで、何か起こったときにすぐに動けるようなネットワークを築いていきたいと思っています。

写真が持つ、コミュニケーションツールとしての可能性を発揮して、被災地の子どもたちに笑顔をもたらしたキヤノンの『フォトレター出張授業』。大切なのは、それぞれの企業が自社のいまできることを考え、実行していくこと。そして、企業と自治体、NPOがもっと連携して需要と支援を的確に結びつけていくこと。どんなに大きな企業であっても社会課題を単独で解決することはできない。いまできることを自主的に考えていく一人ひとりの姿勢と、みんなで考えていく場が今必要だ。

いまできること取材班
文章:柳瀬武彦
撮影:岩井純一

10月4日 2016

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