現地のいまを知る

モデルにしたい支援のカタチ。企業と現地支援者との連携①

2016.09.07

仮設住宅の建設が進んでいる。
被災者の生活再建の“場”は整いはじめているといえるだろう。しかし、その“環境”においては、まだまだ課題も多い。そのひとつが家電製品。仮設団地で出会った高齢の被災者は「仮設(住居)はできたばってん、家電がなかけん、まだ入居しとらん。生活できんけんね」と話していた。資金、交通手段、健康状態…、さまざまな理由で家電製品を買いに行けない被災者がいる
「家電製品さえ揃えば、日常の生活ができるのに」
そんな声に応える支援活動が、9月1日、2日に行われた。大手家電メーカーからの家電製品の物資支援だ。

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仮設住宅へ支給物資の冷蔵庫を運び込む関係者

その企業とは、世界でナンバーワンの生産シェアを誇る中国の家電メーカー『ハイアール』。今回、冷蔵庫や冷凍庫、洗濯機、電子レンジ、掃除機など160品もの家電製品を被災者へ支給。支援活動を担当する『ハイアール ジャパン セールス』の桑野広志さんも現地入りし、物資の仕分けから配送までを行った。

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『ハイアール ジャパン セールス』の桑野さん。東京から熊本入りし、協力者たちと一緒に汗を流した

物資の数もさることながら、必要とする被災者の手へ直接届けるという細やかな対応にも驚いた今回の物資支援。そこには、2人の人物が大きく貢献していた。『生活協同組合連合会グリーンコープ連合』常務理事で、『グリーンコープ災害支援センター』統括責任者の村上省三さん。そして、国内外の被災地で支援活動を行ってきたという服部浩之さんだ。

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左から、村上さん、桑野さん、服部さん

東日本大震災、広島土砂災害、関東・東北豪雨災害の支援活動を行い、以前から信頼関係を築いていた村上さんと服部さん。熊本地震が発生し、それぞれで支援活動を行うなかで、被災者の「家電製品がなくて困っている」という声を多く耳にしたという。そこで、服部さんは広島土砂災害の際に、家電製品の物資支援に協力してもらった『ハイアール』に連絡、熊本地震の被災者への支援をお願いしたという。

倉庫や配送車輌などの物流面は村上さんが一手に引き受けた。仮設住宅まで直接届けるという細やかな対応は、日頃から地域に密着しているグリーンコープだからできること。大手家電メーカーと現地を知る業者、その間を取り持った服部さん。その見事な連携により、今回の物資支援は実現したのだ。

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グリーンコープの物流センターに届いた『ハイアール』からの大量の支援物資。外箱に支給先が明記されていた

「物資支援は今回が2回目です。6月に最初の支援をさせていただきましたが、その時はやることがたくさんあってバタバタでした。今回は村上さんがどこの仮設にどれくらいの量が必要か、すでに聞き取りされていたので、それをもとに私たちはできる限りの物資を用意しました。当社の倉庫から発送する段階で各物資に支給先を明記しましたので、配送までスムーズにいけたと思います。村上さんたちのような人がいることで、私たちも動くことができるのです」と桑野さん。現地協力者の存在の大きさを改めて実感したという。

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「東京に戻ったら、今回の支援や私が現地で感じたことを社内で共有したいと思います。いまの状況を広く伝えることは、とても重要です。当社の発信力を生かして、取引先の企業などもに伝えることができればと考えています」と桑野さん

今回の取材を通して、企業と被災地で活動する人・団体、その二者が手を取り合うというカタチは、支援活動の重要な「型」のひとつだと感じた。その型がもっとたくさん増えれば、支援のチカラはより大きくなるはずだ

いまできること、それは“準備”を始めること。つまりは災害に備えて、企業とボランティア団体が関係を築いておくことだ。
災害は、待ってはくれない。

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南阿蘇村から支援物資を受け取りに来た人たち。必要としている人へ、手から手へ物資が贈られた

いまできること取材班
文章・撮影:高野正通

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