現地のいまを知る

「復興バー」5年目。楽しいは継続の力なり。

2017.08.30

2017年、夏。
熊本地震から1年以上が経過し、東日本大震災からは6年半が経とうとする中、今年も「復興バー」が開催された。東日本大震災をきっかけに2013年から毎年開催され、今年で5回目となるこの被災地支援イベントは、日替わりマスターが被災地の美味しいものを振る舞い、みんなで復興を応援するというもの。今年は6月から約2ヶ月間、東京・神田にある「全国うまいもの交流サロン なみへい」のカウンターに、毎週末さまざまなマスターが登場した。

7月30日は本サイト「平成28年熊本地震 いまできること」を運営する公益社団法人助けあいジャパンの共同代表理事である石川淳哉がグランドマスターを担当。岩手、宮城、福島、熊本、大分から5人のマスターが集結し「復興FIVE」としてイベントに参加した。都内でも復興イベントは数少なくなってきている中、被災地に思いを寄せる人、毎年復興バーを楽しみにしている人が訪れ、200名を超えるお客さんとボランティアスタッフで大盛況となった。

私自身も取材などで5県を訪れたが、その土地でしか味わえない郷土料理の美味しさに驚かされた。「復興FIVE」の面々が各地の生産者から、独自のルートで食事やお酒を用意。東京でもなかなかお目にかかれない食事がテーブルを彩った。復興支援を長く続けていくには楽しむという要素が不可欠であるが、「食」というものは自然と人を引きつけ、復興の中心となる存在であると改めて確信する。

熊本と大分の名物を詰め込んだ「九州セット」

昨年も大反響だった大分の「いいちこカボスボウル」

夕方からは、1人5分間スピーチタイム。1人5分間という短い時間で20人以上から、今の現地の状況やプロジェクトの活動報告が行われた。今年に入ってからも多くの自然災害が発生するなど、関心を向ける先も日々更新されていく中、被災地と向き合い活動を継続している人たちの存在を忘れてはならない。

クリエイティブの力で復興を支援する「BRIDGE KUMAMOTO」のメンバー、藤原育菜さんは昨年に続き、二度目の参加だ。
「昨年も復興バーに参加させていただきました。プロジェクトは継続するどころか、鳥取の被災地も支援するなど拡大しながら続けさせていただいています。東北も熊本も関連イベントが少なくなっている印象がありますが、このような機会は復興支援をしている側としてもありがたい存在です。」

BRIDGE KUMAMOTOの藤原育菜さん

弁護士で災害復興法学を専門とされる岡本正さんは、このように話す。
「復興や防災を専門でやっている人もそうでない人も、さまざまな人がこういった場に集うことで、日頃の活動や仕事につなげられると思います。自分は何が出来るんだろう?と考えてもなかなか分からないことも多いですが、このような場がきっかけになるとよいですね。」

NPO法人ふるさと回帰支援センターのおおいた暮らし相談窓口を務める伊藤彩子さんは、東京ならではのできることについて語る。
「熊本地震からやっと1年が過ぎたところで、同じ九州では水害が発生してしまいました。日本全国で災害が続いていますが、全国から人が集まりやすい東京でこのような機会が作られることがありがたいです。美味しい料理が食べられるのがやっぱりいいですね。」

200人以上が訪れ、店は熱気に包まれた

昨年を上回る大盛況となった今年のイベントの売上は、5県のNPO・団体にそれぞれ寄付された。復興支援は長く継続することが大切ということは何度も語られてきた。何事も続けるには楽しいことが大事である。これからも楽める復興支援の企画が増えていくことを期待したい。そして、毎年かたちを変えながら開催される復興バーは、また来年も多くの人々を楽しませ、勇気づけるに違いない。

いまできること取材班
文章:柳瀬武彦
撮影:岩井純一

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