現地のいまを知る

夜のあかりが消えていた益城町に、クリスマスイルミネーションのきらめきを

2016.12.22

2016年も残すところわずか。全国各地でクリスマスイルミネーションのきらめきが、街を華やかに彩るこの時季。地震から8か月が過ぎた被災地・益城町では、このクリスマスのあかりで住民に元気を届けようと、12月11日(日)に点灯式イベント「X’masイルミネーション ~みんなで灯そう復興の光と想いを~」が開催された。

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イベント会場には天草から駆けつけたサンタクロースの姿も

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県道28号沿いにある益城復興市場・屋台村。「年末年始の忘新年会にも気軽に利用してもらいたい」と運営スタッフ

会場となったのは、“益城から元気を!益城に笑顔を!”のスローガンでがんばっている「益城復興市場・屋台村」。被災後、営業ができなくなった町内の飲食店や衣料品店、美容室など15店舗が入居し、町民の憩いの場としてはもちろん、遠方から復興支援を目的に訪れる人も多いスポットだ。
この日、イベントを主催した運営事務局のスタッフ・谷光杏奈さんに話をうかがうと「地震で益城町は甚大な被害を受けました。倒壊した家も多かったせいか、夜になると町のあかりが消え、真っ暗になってしまって…。きっと寂しい思いを抱えた住民の方もいらっしゃるだろうと思い、この屋台村にクリスマスのイルミネーションを点灯して、ここから元気を届けたいと、企画しました」。

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イベント当日、自らトナカイ姿に身を包み、会場を盛り上げていた運営スタッフの谷光さん

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たくさんの親子連れが参加した手作りのオーナメント作り

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大型のツリーを飾りつけるかわいらしいオーナメントもたくさん用意された

点灯式に先駆けて行われたオーナメント作りには、町内在住の多くの親子連れが参加。自分たちで手作りしたオーナメントで、大型のツリーをにぎやかに飾りつけしようという計画だ。カラフルな毛糸を使い、制作に取り組む子どもたちの表情は、真剣ななかにも楽しそうな雰囲気が伝わり、近くで眺めていたお父さんお母さんもうれしそう。こうして、着々とオーナメント作りが進行していき、日も暮れかけた17時前に、サプライズゲストのサンタクロースが登場!「サンタさーん♪」、子どもたちからの歓声と同時に、会場のボルテージも急上昇。ステージ上では、サンタさんも一緒にツリーに飾りつけを行い、そのあと子どもたちには、ひと足早いクリスマスプレゼントが贈られた。

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小さなちびっ子は、サンタさんに抱きかかえられて飾りつけ

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この日、家族5人で飛び入り参加していた宮崎さんファミリー。「こういうイベントで益城町が盛り上がるのはうれしいですね」とにっこり

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仲良しの橋本さんと中島さんファミリー。「地震から8か月が過ぎ、最近は子どもたちの表情も明るくなってきました。今日こうして親子でクリスマスイベントに参加できてよかったです」

一気にクリスマスムードが高まった会場では、平成音楽大学の学生や、ゴルペルユニットが登場し、クリスマスソングの演奏と歌声を披露。迎えたフィナーレでは、全員で「5、4、3、2、1!」の大きな掛け声とともに、ツリーにあかりが点灯。来場者からは大きな拍手がおくられた。
今年の4月に熊本を襲った大地震から、はじめて迎えるクリスマス。このクリスマスイルミネーションのあかりが、これまで多くの困難を乗り越えてきた住民たちの心を温かく照らし、復興を願う希望の光となるのは確かだ。
熊本地震から8か月が過ぎ、仮設住宅で年越しを迎える県民も多くいる。住宅の再建、心のケアなど課題はまだ残されているが、こうした復興イベントが開催されることは、県民に元気と勇気をもたらす大きな力となる。イベントの大小にかかわらず、被災者の心に届く復興イベントが、いま被災地に求められている。

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平成音楽大学の柴田さん(ギター)、新垣さん(トランペット)、市原さん(アコーディオン)によるステージ

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サンタさんの登場によろこびを体いっぱいで表現する子どもたち

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クリスマスソングで会場を盛り上げてくれたゴルペルユニットの「vicinitys」

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12月25日までの期間中、夕暮れ時から23時まで点灯予定。益城復興市場・屋台村でおいしいグルメを味わいながら、大切な人と一緒にツリーのきらめきを楽しんでみては

いまできること取材班
文章:稲積清子
撮影:長谷和仁

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