現地のいまを知る

熊本とつながるキッカケのひとつに。灯りの祭典「みずあかり」

2017.10.25

さる10月7日・8日、熊本城近くの花畑町一帯が、約3万5千個のろうそくの灯りで彩られた。

心温まるような灯りで彩られた中心街。左奥に見えるのは、修復作業中の熊本城

2004年から始まった灯りの祭典「熊本暮らし人まつり みずあかり」(以下、みずあかり)。竹、火、水、ろうそくといった熊本の資源を活かした祭りで、熊本の魅力を再発見するとともに、「ここに暮らす喜びと、切なさまでも共感できる市民と地域でありたい」というコンセプトで、毎年秋に開催されている。

その美しく幻想的な風景は、すでに熊本の秋の風物詩になっている。しかし、この祭りの意義は、それだけではない。「過程」を大事にしていることも、特筆すべき点だ。
ひとつは、祭りの運営をすべてボランティアで行っていること。例年、その数は延べ約6,000人にものぼるという。竹灯籠の制作、設置、当日の運営、片付けまで、地元企業や市役所・県庁の職員、自衛隊、学生、一般市民ボランティアなど多くの人たちの協力によって成り立っているのだ。

子どもから大人まで、多くのボランティアが“楽しみながら”竹灯篭を制作

その理由を「参加者の皆さんに“自分の祭り”にしていただきたいから」と話すのは、運営委員長の坂口裕俊さん。特に昨年は「熊本地震で傷ついた熊本のために、何かしたい」と、県外から「みずあかり」のボランティアに参加してくれる人も多かったという。
そして今年。「来てくださったボランティアの中には、昨年も来てくれた県外の企業さんや一般の方々もたくさんいらっしゃいました」と坂口さんは嬉しそうに話す。さらに、地震後に支援活動のボランティアで熊本を訪れ、今回の「みずあかり」のボランティアのために再び熊本を訪れたという人にも出会ったそうだ。

運営委員長の坂口裕俊さん。「『みずあかりを希望の光に』というのは、ちょっと大げさかもしれません。この灯りを見てホッとしてもらい、良かったなと思ってもらえたら良いですね。そして『来年はボランティアに参加してみようかな』と思っていただけたら幸い。そうすると光の見え方や感じ方変わり、熊本という地域の見え方も良い意味で変わってくるのではないかと思います」

「去年の震災でつながった人たちがたくさんいます。そして今年、新しくボランティアに来てくださった人たちもたくさんいました。『みずあかり』という場があることで、つながるご縁がたくさんあったのです。また、祭り当日に来ることができなくても、8月末から毎週土日に竹灯篭づくりなどのボランティアを行っているので、そちらに参加してくださった人たちも多くいらっしゃいました。本当にありがたいことです」と坂口さんは感謝の思いを口にします。

被災地での支援活動が、大きな後押しになることは間違いない。しかし、熊本の人たちと一緒に何かを楽しむ、または熊本を訪れることも、確実に支援のひとつになる
復興への道のりは、まだまだ長く険しい。だからこそ、あえて難しく考えず、たくさんの人と熊本が、気さくに、長くつながっていく。そんな交流が、これからますます重要になってくることを「みずあかり」は教えてくれていた。

「みずあかり」では、たくさんの人とつながる場をこれからも守り続けていきたいと、クラウドファンディングを実施中(10月30日まで)。その想いに、ぜひ触れていただきたい。なお、協賛は通年受け付け中。詳しくはホームページで。

熊本城近くを流れる坪井川も、美しい灯りで彩られた

たくさんのメッセージが書かれた三角灯籠も

いまできること取材班
文章・撮影:高野正通

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