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ICTで元気な熊本を。災害・復興ICT支援チームの活動

2016.09.02

熊本地震発生後の6月初旬。熊本市からの呼びかけを受け、これまで熊本県内を中心にICTを活用した地域活性化やまちづくりなどの活動を行ってきた有志が集まり、災害・復興ICT支援チーム「リバイブくまもと」が発足した。
このICTとは、Information and Communication Technology」の略で、情報通信技術のことをさす。つまり、パソコンやスマートフォンなどのコンピュータを使い、ネット上のサービスやゲームなどを活用しながら、被災者の支援活動を行っていこうというのが、団体のめざすところだ。

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リバイブくまもと代表の村嶋さん。発足後、避難所や仮設住宅などにおけるクラウドサービスを活用した情報共有の支援、リユースパソコンの無償提供など、さまざまな支援活動を行っている

“ICTで元気な熊本を再興しよう”をスローガンに、長期的な復興支援活動を行っている「リバイブくまもと」では、復興支援にかかわる行政・NPO・企業・ボランティアの情報交換を通じ、互いに連携を図っていこうと、定期的な交流会を実施。その第2回目が、8月27日(土)に熊本市民会館で開催された。

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東日本大震災での活動実績を持つ団体も参加した第2回目のリバくま交流会

この日の交流会では、まず熊本市総務局行政管理部の桐原さんによる「平成28年熊本地震 応急・復旧・復興業務 ICTによる貢献」と題した講演が行われた。桐原さんは、熊本市の情報システム部門の統括であり、熊本地震という未曽有の事態に際し、市がどのような応急・復旧業務を行ったのか、またICTがどのように貢献したかを、会場のスクリーンに映し出される当時の写真とともに振り返った。

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熊本市の情報システム部門が、震災後にどう動いたかについて語ってくれた市職員の桐原さん

地震直後、本庁のホストマシンが置かれた部屋は、棚が倒れるなど、かなりの被害を受け、パソコン運用を行ってきた過去31 年の間、一度も止まることのなかったパソコンが初めてストップ。誰もが経験したことのない緊急事態に直面する中、避難所の対応に追われる職員も出たため、通常の3分の1の人数でこのピンチを乗り切ったそうだ。り災証明書(※1)の発行でも混乱を極め、過去の災害時には手作業で対応してきたものが、それでは到底追いつかない状況におちいったが、他の自治体からの応援、企業からプリンターなどの備品を借用しつつ、一つひとつの課題をクリア。

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第2部では、福島と熊本の会場をスカイプでつなぎ、福島で子どもたちの支援活動を行っている団体の代表がトーク。被災地では、子どもたちの遊びの必須条件である3つの間(時間、空間、仲間)が失われるため、これを地域で担保していくことの必要性が語られた

交流会の最後には、リバイブくまもとのボランティア活動について報告があり、8月に熊本市総合体育館、益城中央小学校、健軍商店街などで行った、ICTによる情報共有支援活動の様子を紹介。避難所で「きなっせ・かたりなっせ」という話せる場を作り、傾聴ボランティアを実践した話や、実態感型ゲームを使った健康増進支援の話など、多岐にわたる活動の様子がうかがえる交流会となった。

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「リバイブくまもと」が行った健軍商店街での支援活動の様子。Xbox360+Kinectを使ったダンスゲームによる健康支援交流活動を実施。画面に映し出される映像をまねて、体を動かす参加者たち

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8月に行ったICTボランティアでは、被災者の大切な写真をデジタル保存する「Omoidori」の支援も

「第2回 リバくま交流会」に参加した人たちの声

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(左から)福岡市から参加の大屋さん、小松さん、野間さん。福島から参加の浜中さん。「去年、株式会社プレイノベーションの浜中さんの案内で、東北のボランティアに参加しました。熊本地震では、自分はまだ何もできていないのですが、この交流会をきっかけにできることを見つけたい。今後はSNSなどを使い、適切な形で情報をシェアし、まずは身近な人へ熊本のことを伝えていきたいです」(野間さん)

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岩手県釜石市から参加の鹿野さんは、交流会第1回目のゲストスピーカー。「東日本大震災が起こったとき、阪神淡路大震災を経験された方に『僕らの過去が、君たちの未来になる』と言葉をかけられ、それが今でも胸に残っています。今度は、私たちの経験を熊本の方に伝える番だと思ってここに来ました。時間と場所を超えるICTの強みを活かし、岩手と熊本でつながり、共に復興を目指していきましょう」

地震発生からもう間もなく4カ月を迎える被災地。さまざまな支援活動が続くなかで、ICTを活用した情報共有支援活動に取り組む「リバイブくまもと」の役割は大きい。第3回目の交流会も予定されているそうなので、ICTを活用した復興支援に興味がある人は、気軽に参加してはどうだろう。イベントについて詳しくは、ホームページ内「NEWS & EVEVTS」でご確認のうえ、お問い合わせを。

※1:地震や風水害などの災害により、被災した住家などの被害の程度を市町村 が証明するもの。「全壊」「大規模半壊」「一部損壊」などがあり、その区分により受けられる支援制度が異なる。

いまできること取材班
文章:稲積清子
撮影:長谷和仁

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