現地のいまを知る

ママにも休息を。移動式キッズスペースで被災家族を応援

2017.01.24

被災地を取材する中で聞こえて来た声。
「子どもが安全に遊べる場所が減った」
「育児のため、被災した家を片付ける時間がなかなか取れない」
「気持ちが張りつめていて、ひと息つく時間がない」

地震直後はもちろんのこと、今も生活再建、家族のこと、これからのことなど、考えなければならないこと、やらなければならないことは多く、疲労が蓄積している被災者は多い

そんな中、「ママにリフレッシュできる時間を提供したい」と、熊本地震後から移動式キッズスペースを被災地で開くというボランティア活動を続けているのが『サクラキプラスピープル。代表を務める葛西江美さんも熊本地震の被災者であり、一児の母だ。

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子育て、仕事、ボランティア、生活再建を同時進行中という、バイタリティあふれる葛西江美さん

「私自身、ラクをしたいという気持ちがあって。ラクといっても、手を抜くということではなく、いろんなことから少しだけ解放されて、リフレッシュする時間がほしいという意味です。子育て中のママは、ただでさえ忙しいのに、熊本地震後は家の片付けや生活再建など、やることがいっぱい。私自身がそうなので、同じ境遇で大変なママたちの助けになればと思い、日毎にいろんな被災地を回り、無料キッズスペースを開くことにしました」と葛西さんは活動を始めたキッカケを教えてくれた。

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昨年5月から避難所にキッズスペースを設置する支援活動をスタート

もともとは、ママが子どもを遊ばせながらゆっくり過ごせるママカフェ『サクラキノイエ』を熊本市で営んでいた葛西さん。熊本地震後、店舗は地盤が傾いたため、やむなく閉店を決めたという(2017年1月より熊本市中央帯山に移転し、営業再開)。
「カフェで使っていたオモチャがたくさんあったので、被災地に持って行けばキッズスペースが開けると思いました。避難所や仮設団地でキッズスペースを開くと、ママも子どもたちも喜んでくれて。時にはアロママッサージのボランティアを行っていた人たちと連携して、ママたちの体と心もほぐしました」と葛西さん。利用者のリピーターも増え、ママと子どもたちの笑顔を見る度に、活動に大きな意義を感じたという。

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「仮設団地内の集会場でキッズルールを設置した時に、来てくれた小学生から温かいメッセージをいただき、感激しました。大変だけど、活動をやっていてよかったと思いました」と葛西さん

ママがリフレッシュする機会を得ることで、子どもにもっと優しく接することができると思うんですまだまだ復興への道のりは続いていきますこれからもママたちの心と体の元気をサポートしていきたいですね」と、葛西さんは息の長い活動を見据えている。しかしながら、すべてボランティアで行っており、活動資金に余裕はないのが現状である。
具体的な活動内容はホームページで発信中。支援も受付中だ。

仮設住宅の建設が終了し、生活のベースは整いつつある被災地。しかしながら、復興への歩みはまさにこれからである。その歩みを止めないためにも、いまできることは、被災者が息切れをしないように心と体をケアしていくことではないだろうか。家族の太陽でもあるお母さんの元気は、家族にとって、子どもにとって、大きな力になるはずだ。

いまできること取材班
文章・撮影:高野正通

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