現地のいまを知る

被災地のため、未来のためにできること

2016.07.11

日本最大級のポータルサイト『Yahoo! JAPAN』では、熊本地震発生後、災害・防災・支援についての情報や、被災地の現状を「熊本地震災害支援」ページで発信し続けている。その活動を担うスタッフのひとりが、『ヤフー株式会社』社会貢献推進室の松本裕也さん。『崇城大学ボランティアビレッジ』内に出張オフィスを置き、情報収集するとともに、復興のためにできることを日々探し続けている。

松本さんとボランティアとは縁は深く、長い。学生時代には世界一周の旅をしながら海外のNGO(※1)を巡り、実際にボランティア活動を行ってきたという。社会貢献推進室内「東北共創チーム」の一員として、宮城県石巻市で暮らしながら東日本大震災の被災地支援活動を行っていた

松本さんとボランティアとは縁は深く、長い。学生時代には世界一周の旅をしながら海外のNGO(※1)を巡り、実際にボランティア活動を行ってきたという。社会貢献推進室内「東北共創チーム」の一員として、宮城県石巻市で暮らしながら東日本大震災の被災地支援活動を行っていた

「4月21日にスタッフ6人で熊本入りしました。うち1名は、以前に『Yahoo!ニュース』を手がけていた記者でしたので、支援活動を行いながら、同時に記事も発信。しばらくの間は特集記事として毎日アップし、『Yahoo! JAPAN』トップページにリンクを貼って展開しました」と松本さんは振り返る。ほかにも、支援物資のピッキング(倉庫から品物を取り出す作業)と配送崇城大学ボランティアビレッジ』立ち上げの支援、『Yahoo! JAPAN』と『アスクル』が立ち上げたショッピングサイト『LOHACO』内での「応援ギフト便」の立ち上げなど、活動は多岐にわたる。

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支援物資を配送するスタッフたち

そのなかで、松本さんは大きく2つのことを実感したという。
ひとつは「被災地に来ることの重要性」である。
「例えば『LOHACO応援ギフト便』を例にすると、IT関係者は、物資を送るための仕組みを作り、利用者アカウントを被災地の困っている人に渡して活用してもらおうという発想をしがちです。でも、避難所の方々にパソコンを渡しても、使い方が分からない方も多くいらっしゃるので、ネットだけで完結させるのは非常に難しいと感じました。そこで、被災者・支援者からのコールセンター機能を持っていた一般社団法人『チーム熊本』と連携することにしました。情報を吸い上げるための“ご用聞き”みたいなセクションがないと、ツールの能力を十分に発揮できなかったのです。まずは『チーム熊本』と一緒に、私たちへの連絡先と「こんなことができます」という案内を書いたチラシを作って配りました。とてもアナログな手法です。電話がかかってきたら『チーム熊本』が必要としている支援物資を聞き、データベースに入力。それを私たちが『LOHACO応援ギフト便』にアップして、全国の方々が買ってくれるという流れを構築しました。実際に熊本へ来たことで気付いたことは、たくさんあります。おかげで支援の方法も適宜カスタマイズすることができました」。

物資配送の際、最初はスマホのナビ機能などを活用していたが、復興工事による予期せぬ通行止めなどに悩まされたり、トラックのドライバーによってはウェブを上手く使えないという状況があったため、急きょプリントアウトして書き込み、ドライバーへ配布することに。支援方法は臨機応変にカスタマイズしていったという

物資配送の際、最初はスマホのナビ機能などを活用していたが、復興工事による予期せぬ通行止めなどに悩まされたり、トラックのドライバーによってはウェブを上手く使えないという状況があったため、急きょプリントアウトして書き込み、ドライバーへ配布することに。支援方法は臨機応変にカスタマイズしていったという

もうひとつは、「災害支援の“型”をつくることの重要性」である。
「現地入ってから、できることを探すのでは遅いと思いました。自衛隊は支援の“型”があることで、実行のスピードが速く、それぞれの役割も明確です。次の災害が起こった時のために、支援の“型”をしっかり考える必要があると痛感しました」と松本さんは未来も見据える。

被災地に来ることで、見えてくることがある。松本さんの話は、支援を考えている企業、そして全国の人たちにとっての大きなヒントになるのではないだろうか。
これから先に起こるかもしれない災害に備えて、企業、地域、暮らす人々が、いざという時の行動を考え、“型”として持っておくこと。それは、震災を風化させない大きな一歩になるはずだ。

Yahoo! JAPANの支援活動の拠点となっているオフィスは、『崇城大学ボランティアビレッジ』内にある

Yahoo! JAPANの支援活動の拠点となっているオフィスは、『崇城大学ボランティアビレッジ』内にある

最後に、松本さんが考える「いまできること」を聞いてみた。
ボランティアはまだまだ必要です。社会福祉協議会のボランティア以外にも、いろんな団体や地域がボランティアを必要としています。それと、経済的なダメージを受けている人や地域も多いので、お金の支援と、熊本へ旅行に来ることも大切だと思います」。
ボランティア情報については、『Yahoo!ボランティア』、そして本サイト『ボランティアで応援する』でも発信中。ぜひチェックしていただきたい。

※1:貧困、飢餓、環境など、世界的な問題に対して、政府や国際機関とは違う“民間”の立場から、国境や民族、宗教の壁を越え、利益を目的とせずにこれらの問題に取り組む団体のこと。

いまできること取材班
文章:高野正通
撮影:長谷和仁

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