「翡翠の原石の見分け方はどうするの?本物の石の特徴や似ている石について知りたい!」
美しいエメラルドグリーンが特徴的な翡翠(ヒスイ)ですが、実は他の色があったり、似ている石があったりと、本物かどうか見分けるのが難しい宝石です。
古代からお守りや魔除けとして人々と深い関わりのあった翡翠ですが、見分けるのは簡単ではありません。
- 本物の翡翠の原石の見分け方はある?
- 本物の石の特徴や似ている石は?
- 翡翠のランクはどう?宝石としての価値を知りたい!
など、翡翠についていろいろと詳しく知りたいですよね。
そこで今回は、翡翠の原石の見分け方について詳しくご紹介していきします。
翡翠によく似た他の石もあるため、特徴や見分け方などもお話ししていくので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
翡翠はどんな石?色や主な産地、宝石としての価値は?

翡翠は宝石としても有名ですが、種類や価値などはよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
まずは、翡翠の特徴について次のポイントを確認しておきましょう。
- 翡翠の色と主な産地は?日本で産出される場所はここ!
- 翡翠は2種類!宝石としての価値に違いはある?
- 「キツネ石」は翡翠?翡翠ではない?
では、5月の誕生石でもある翡翠について詳しく見ていきましょう!
翡翠の色と主な産地は?日本で産出される場所はここ!
翡翠と聞くとエメラルドグリーンが一般的ですが、本来の翡翠は無色透明です。
実は、翡翠はさまざまな鉱物が集まってできているため、鉱物の構成によって色が変わるのです。
光沢が美しい翡翠は日本だけでなく、世界各国で古くからお守りとして親しまれていました。
日本では特に「勾玉(まがたま)」と呼ばれ、遺跡などからも発掘されています。
現代の私たちには馴染みが深い「翡翠」という名前で親しまれていますね。
翡翠は親油性が高く肌の油分と馴染んで艶が増すのが特徴です。
そのため、ネックレスなどとして身に着けている期間によって輝きが異なります。
翡翠の色といえばエメラルドグリーン(緑)が有名ですが他にも、次のようなものがあります。
- 赤
- 青
- 白
- 黒
- 紫
- 黄色
濃い緑や白、紫は貴重なため、あまり市場に出回っていません。
見かけたことがない方も多いのではないでしょうか。
また、翡翠が取れるのは以下の国です。
- グアテマラ
- ロシア
- トルコ
- アメリカ
- カザフスタン
- ミャンマー
- 日本
- 中国
- ニュージーランド
日本では、新潟県糸魚川市が産地として有名で、宝石質の翡翠が取れる日本唯一の場所でもあります。
糸魚川市の小滝川ヒスイ峡は翡翠がとれることでよく知られていますが、採取は禁止になっています。
ただし、姫川を下って糸魚川市の海岸に打ち上げられたものは、拾っても大丈夫です。
翡翠は2種類!宝石としての価値に違いはある?
翡翠には2つの種類があります。
- ジェダイト(硬玉)
- ネフライト(軟玉)
150年ほど前、翡翠には2種類の鉱物があると分かりましたが、それまでは同じ翡翠としてひとつの種類だと考えられていました。
現在、宝石として価値のあるのは硬玉のジェダイトです。
ただし中国では軟玉のネフライトも人気があり、通販などで販売されているので購入する際は注意してください。
2つの翡翠の価値は全く違うので、事前に確認しましょう。
「キツネ石」は翡翠?翡翠ではない?
翡翠によく似た石として「キツネ石」と呼ばれる物があります。
キツネ石は、翡翠に似ているものの翡翠ではありません。
これは、ジェダイトと区別するために、翡翠に似た石を呼ぶ時に使われる言葉です。
キツネ石としては次のような石が挙げられます。
- ネフライト
- 蛇紋岩
- 緑泥片岩
- 石灰岩
- ロディン岩
これらは、一見すると翡翠のジェダイトに見える石たちなので「キツネ石」と呼びます。
翡翠とキツネ石の見分けはとても難しく、一般の人にはなかなか区別ができません。
そのため、人を騙す動物といわれるキツネにちなんで「キツネ石」と呼ばれるようになりました。
市場ではキツネ石が翡翠として売られている場合もあるので、購入時には注意が必要ですね。
本物の翡翠の原石の見分け方は?光をあてる方法が一般的!

翡翠は見分けるのが難しく、プロでも選別に苦労すると言われています。
では、本物の翡翠の原石を見分けるのはどうすればいいのでしょうか?
本物の翡翠かどうかを見分けるおすすめの方法には、次の通りです。
- 光を当て、濃淡や内包物をチェック
- 査定士に鑑別書を確認してもらう
- 目立たないところでスクラッチテストを行う
- 質感と重量感を確かめる
- 鑑別機関で機械計測する
などの方法がありますが、自分で行う場合は光を当てるのがおすすめです。
そのほかの方法も合わせて、それぞれ詳しくご紹介していきます!
光を当て、濃淡や内包物をチェック
翡翠として売られている物の中には、樹脂やプラスチックで加工されている偽物があります。
翡翠にペンライトなどの光を当てて見た時に、人工的な気泡が浮かんでいる場合は偽物です。
また、本物の翡翠の場合、光を当てると濃淡や塵のような内包物が見られます。
内包物が全くないものは、偽物の可能性が高いでしょう。
査定士に鑑別書を確認してもらう
石についている鑑別書を査定士に確認してもらうと、本物の翡翠か見分けることができます。
鑑別書にある「透明度と色」の項目や、加工の有無などを見ると、翡翠の成分が分かります。
自分で鑑別書を見ることもできますが、査定士にお願いしたほうが確実です。
目立たない場所でスクラッチテストを行う
目立たない場所を削ってみると、翡翠かどうかを見分けることができます。
スクラッチテストと呼ばれる方法で、ガラスなどに翡翠をこすりつけて、どちらに傷がつくのかを確認します。
本物の翡翠の場合はとても硬いので、本体よりもガラスに傷がつくはずです。
反対に、ガラスではなく本体に傷がついたら、それは偽物の可能性が高いと言えます。
スクラッチテストをやる時には、傷がつくこともありますので、見えない部分でするようにしましょう。
質感と重量感を確かめ、本物の特徴と比べる
質感と重量感を本物の翡翠の特徴と比べてみましょう。
本物が手元にないとできない方法ですが、比べることで違いがよくわかります。
翡翠は硬度が高く割れにくいので、角が取れていません。
表面はスルスルとしていて、滑るようななめらかな手触りが特徴的です。
偽物は硬度が低く柔らかいため、海岸などで見つけた場合に角が取れて丸くなっています。
また、重量感で見分けることもできます。
少し大きめの原石の場合、手のひらにのせた重みを本物の翡翠と比べてみましょう。
ずっしりと思い感覚があるなら翡翠ですが、そうでないなら偽物の可能性が高いのです。
最も正確なのは鑑別機関で機械計測すること
翡翠の原石を自分で見分けるのは、実際とても難しいのです。
最も正確であり、信頼できるのは、鑑別機関に持ち込んで見てもらう方法でしょう。
構成されている鉱物を専門の機械で計測すれば、本物の翡翠かどうかすぐに確認できます。
自分であれこれ探るよりも、結果的に専門家に任せる方が確実で安くすむでしょう。
翡翠にランクはある?宝石としての価値を決めるのは何?

同じ翡翠でも、ランクがあり宝石の価値がそれぞれ異なります。
翡翠のランクと価値を決めるのは、次の2点です。
- 翡翠の価値は3段階ある
- 価値は色・透明度・産地で決まる
ここでは、翡翠の価値に関する以上2点を詳しくお話ししていきます!
翡翠の宝石としての価値は3段階ある
翡翠(ジェダイト)の価値は3つのランクに分けられます。
- 一番ランクの高いA貨
- 二番目のB貨
- 三番目のC貨
A貨は、人口処理が全く行われていないか、研磨と蝋の処理以外が行われていない石で一番ランクが高いものです。
ミャンマーやグアテマラなどで取れた翡翠は価値が高いとされていて、新潟県糸魚川の翡翠も同じく高品質です。
B貨は、漂白と樹脂による含浸(ポリマー)処理が施されている石です。
漂白は表面についている黒や茶、黄色の斑点を取り除き、ポリマー処理は透明感を出してくれます。
人工処理によって、表面がスムーズになったりツヤが出たりするほか、ひび割れなども起こりにくくなでしょう。
C貨は着色されてできた人工翡翠となっており、漂白加工なども行われています。
本物に似て巧妙に作られている場合、なかなか見分けるのが困難です。
価値は主に色・透明度・産地で決まる
翡翠の価値は主に次の3点によってで決まります。
特に、一番ランクの高いA貨の翡翠を選ぶ際は重要視されます。
- 色
- 透明度
- 産地
日本で最も価値があるのは緑色の翡翠、次にラベンダーカラーとなっています。
他の色の翡翠は品質が良くても、価値はそれほど高くありません。
色の基準は国によっても異なりますが、日本や台湾などでは色が濃い翡翠が好まれています。
また、透明度や産地によっても価値が変わります。
透明度は、高ければ高いほど価値がある翡翠です。
ラベンダーカラーの翡翠はほどんどが透明度が低いのですが、ごくまれに透明度の高いものが発見されます。
そのためもしも透明度が高く、濃いラベンダーカラーの翡翠があれば大変価値が高くなるのです。
ただこれらは、一般の人ではなかなか見分けが付かないのでやはり専門家に鑑定してもらうほうが確実でしょう。
まとめ

今回は、翡翠の価値や原石の見分け方についてご紹介しました。
記事の内容をまとめると、次のようになります。
- 本来の翡翠は無色透明だが鉱物の構成によって色が変わる
- 翡翠の色は、緑の他に赤・青・白・黒・紫・黄色などがある
- 翡翠にはジェダイト(硬玉)ネフライト(軟玉)2つの種類がある
- 産地はグアテマラ・ロシア・トルコ・アメリカ・カザフスタン・ミャンマー・日本・中国など
- 翡翠は色や産地、透明度によっても価値が変わる
- 本物かどうかはライトを当てて内包物を見るなどの方法がある
- 確実なのは専門機関で鑑別してもらう方法
翡翠を購入する際は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください!