今薬剤師の転職は厳しいの?不利な条件下でも転職成功に近づけるコツ

 

「薬剤師の転職が厳しくなってると聞いたけど、本当かな?転職を成功させるコツはあるのかな?」

 

薬剤師の転職は簡単と言われていましたが、最近は苦戦する方も増えています。

「薬剤師の転職が厳しくなったと聞いて不安になり、転職してよいか迷っている。」このような方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、「薬剤師の転職が厳しい理由と転職を成功させるためのコツ」についてお話していきます。

厳しい条件下でも転職を成功させるコツを具体的にお話していくので、ぜひ参考にしてみてください!

 

薬剤師の転職は厳しい状況が今後も続きそうな理由!

今薬剤師の転職は厳しいの?不利な条件下でも転職成功に近づけるコツ

 

結論から言うと、薬剤師の転職が厳しい状況が続きそうな理由は以下の3つです。

 

  • 薬剤師の人数が増えている
  • 調剤とドラッグストアそれぞれで募集されていた求人が、調剤併設ドラッグストアにまとまり求人が減った
  • 医療費削減の流れで薬局経営が厳しい

 

下図の通り、ここ5年間で薬剤師の有効求人倍率は約半分に低下しました。

これは薬剤師の就職・転職が約2倍厳しくなったということです。

 

有効求人倍率
R1.5 3.56
R2.5  2.65
R3.5 1.75
R4.5 1.8
R5.5 1.98

(出典:厚生労働省 一般職業紹介状況

 

コロナ禍による業績悪化・求人減少は徐々に回復傾向ですが、以前と同じ倍率に戻ったわけではありません。

薬価改定や診療報酬改定などによる医療費削減の流れから、今までの施策を続けるだけの調剤薬局は経営が苦しくなることでしょう。

 

また、事務員のピッキング容認や登録販売者の増加、業務のIT化により薬剤師の人員削減は更に進むことが想定されます。

そのため、薬剤師の転職は以前に比べて厳しくなっているのです。

 

転職が厳しい・転職に不利な薬剤師の5つの特徴

今薬剤師の転職は厳しいの?不利な条件下でも転職成功に近づけるコツ

 

転職が厳しい・不利な薬剤師には、いくつかの共通する特徴があります。

となると、自分が転職に不利な薬剤師なのか、気になりますよね。

 

そこでここからは、転職が厳しい・転職に不利な薬剤師の5つの特徴をお話していきます。

 

  • 資格を持っているだけでスキルや経験が乏しい
  • 転職回数が多い・在職期間が極端に短い
  • 転職に大幅な年収アップや好待遇を期待しすぎている
  • 前向きな転職理由や向上心がない
  • 接客やコミュニケーション能力に難がある

 

この特徴が当てはまるかどうかで、転職の難易度は大きく異なります。

というわけで、1つずつ見ていきましょう!

 

資格を持っているだけでスキルや経験が乏しい

 

転職先にアピールできるスキルや経験に乏しい薬剤師は、転職で不利になります。

転職状況が厳しくなると、1つの求人に複数の希望者が集まります。

 

好条件の求人には希望者が殺到するため、アピールポイントが「薬剤師資格を持っている」だけでは採用されないでしょう。

その点、かかりつけ薬剤師、在宅医療、専門薬剤師、管理薬剤師経験などの経験・スキルがある薬剤師は、転職市場で高く評価されます。

 

「転職時にアピールできるのが薬剤師資格だけ」という方は、転職を有利にするためにスキルや経験の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

 

転職回数が多い・在職期間が極端に短い

 

転職回数が多く在職期間が極端に短い場合、転職が厳しくなる可能性が高いです。

「会社都合」「結婚・出産によるライフステージの変化」による転職はそこまで不利になりませんが、自己都合による転職回数が多い薬剤師は採用時に敬遠されます。

 

その理由は、以下の通りです。

 

  • 人柄やスキルに問題があるとみなされやすいから
  • 企業は安定して働いてくれる人材を獲得したいから
  • 採用活動は企業側に多額の費用がかかるから

 

企業からすれば、採用費や人件費をかけて採用した人材はできるだけ長く働いてほしいもの。

せっかく育ったころに辞められたら、割に合いません。

 

転職回数が3回を越えると、徐々に転職が厳しくなります。

転職回数の多い方は、次の転職先をより慎重に選びましょう。

 

転職に大幅な年収アップや好待遇を期待しすぎている

 

転職時に大幅な年収アップや好待遇などを希望する薬剤師は、採用されづらいです。

以下のような条件を希望していないか、確認してみましょう。

 

  • 求人票に記載されている以上の年収
  • 福利厚生や勤務条件の特別待遇
  • 「平日3日、午前のみ」など、短時間すぎるパート採用

 

転職状況が厳しくなると、以前のような強気な条件交渉は難しくなります。

もし条件交渉したい場合は、薬剤師転職に慣れている転職エージェントを通すことをおすすめします。

 

前向きな転職理由や向上心がない

 

「今の職場状況が嫌だから」「苦労せずに年収を上げたい」などの理由を挙げてしまうと、転職で不利になりやすいため注意が必要です。

スキルアップのための転職を除き、転職理由はネガティブで後ろ向きなものがほとんど。

 

しかし面接や履歴書で前職を批判すると、「不満の多い人物」「トラブルを起こしそう」などのマイナス評価を相手に与えてしまいます。

転職の際は前向きな転職理由を用意し、向上心があることを積極的にアピールしましょう。

 

接客やコミュニケーション能力に難がある

 

これからの薬剤師には「業務の正確さ」に加えて、「高いコミュニケーション能力」が求められます。

自分の接客スキルやコミュニケーション能力に問題がないか、確認してみましょう。

 

これからは投薬台で薬の説明をするだけでなく、かかりつけ薬剤師では患者さんの心情や状況を踏まえたサポート、在宅医療ではご家族に対する配慮も求められる時代。

近年は在学中に「コミュニケーション」をしっかりと学ばせる薬科大学も増えており、薬剤師が高いコミュニケーション能力を持つのが当たり前になりつつあります。

 

また、患者さんにより良い医療を提供するには、同僚の薬剤師、医師、看護師との積極的なコミュニケーションが欠かせません。

接客・コミュニケーション能力に難がある方は今までの行動を振り返り、同僚や患者さんと良い関係性を築けるよう努力してみましょう。

 

転職が厳しい薬剤師でも転職を成功させるための5つのコツ!

今薬剤師の転職は厳しいの?不利な条件下でも転職成功に近づけるコツ

 

転職が厳しい薬剤師に当てはまり、「転職は無理なの?どうしよう」と思っている方もいるでしょう。

そのような場合は、以下の対処法を検討してみてください。

 

  • 認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を取得する
  • 現職で経験を積んで薬剤師としての市場価値を高める
  • 転職先にアピールできるスキルや実績を細かく棚卸する
  • 転職先に求める条件を最低限に絞る
  • 薬剤師転職サイトを利用してプロのサポートを受ける

 

厳しい条件下でも転職を成功させたい方は、ぜひ参考にしてみてください!

 

認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を取得する

 

認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を取得すると、転職の成功率が大きく高まります。

資格取得が転職で有利になる理由は、以下の通りです。

 

  • スキルや経験がある証拠になる
  • 自己研鑽できる薬剤師とアピールできる
  • 認定薬剤師・専門薬剤師がいないと行えない業務がある

 

「資格」という見える形でのスキルや経験のアピールは、非常に説得力があります。

特に認定薬剤師は、e-ラーニングを活用すれば自宅の勉強だけで取得することも可能。

 

専門薬剤師や認定実務実習指導薬剤師の取得に必要なこともあるため、この機会にぜひ取得しておきたいですね。

認定薬剤師の取得に補助を出す会社もあるため、現在の勤務先で使える制度が無いかチェックしてみましょう。

 

現職で経験を積んで薬剤師としての市場価値を高める

 

経験やスキルが不足している方は、現職で経験を積むことを検討しましょう。

薬剤師としての市場価値を高めてから転職することで、よりよい職場に転職できる可能性が高まります。

 

以下の経験が積めると、転職時に有利です。

 

  • かかりつけ薬剤師
  • 在宅医療の経験
  • 管理薬剤師

 

かかりつけ薬剤師経験は「基本的な業務をこなせる即戦力」と認識されやすく、管理薬剤師経験があると転職時の年収交渉で有利になります。

現職で学べるスキルや経験が転職先では得られない可能性もあるため、現職に未取得のスキルや経験が残っていないか確認してみるのもおすすめです。

 

転職先にアピールできるスキルや実績を細かく棚卸する

 

転職先にアピールできるスキルや実績が隠れていないか、細かく棚卸してみましょう。

「こんな特技、役に立つの?」と思うようなスキルも、採用で有利になるケースがあります。

 

転職時にアピールできるスキルを、いくつかご紹介します。

 

  • 英語や中国語が話せる
  • 車の運転が得意
  • イラストやレタリングが得意
  • 新人教育・実習生指導に多く携わった
  • 介護の知識・経験がある
  • 夜勤ができる

 

とはいえ、転職先に関係ないスキルをアピールしても意味がありません。

転職先が求めるスキルや人材を深く分析し、役立つスキルがあれば積極的にアピールしてみましょう。

 

転職先に求める条件を最低限に絞る

 

優先順位をつけ、転職先に求める条件は最低限に絞りましょう。

条件を絞れば、自分に合った転職先が見つかる可能性が高まります。

 

転職先に求める条件の例は、以下の通りです。

 

  • 職場:病院・調剤薬局・ドラッグストア
  • 給与:年収・時給・ボーナス・各種手当など
  • 勤務時間:残業時間・シフト制・土日祝日勤務など
  • 勤務地:転勤の有無・自宅からの距離など
  • 福利厚生:各種休暇・福利厚生倶楽部・持株会など
  • 処方箋枚数・メイン科目

 

複数の条件を満たす職場は倍率が高く、スムーズな転職は非常に困難です。

また、「なんとなく条件が良い」という基準で転職先を選ぶと、転職後に「なんとなく合わなかった」となるかもしれません。

 

自分に合う転職先を探すために、転職で何を改善したいのかを振り返り、転職先に求める条件は最低限に絞りましょう。

 

薬剤師転職サイトを利用してプロのサポートを受ける

 

転職が厳しい方は、薬剤師転職サイトを利用してプロのサポートを受けるのをおすすめします。

薬剤師転職サイトを利用するメリットは以下の通りです。

 

  • 好条件が提示されやすい非公開求人に応募できる
  • キャリア相談やスキルの棚卸の相談に乗ってもらえる
  • 自分の希望にある職場を転職エージェントが探してくれる
  • 求人票に載っていない細かな内容を確認してもらえる
  • 年収や待遇などの条件面を交渉してもらえる
  • 履歴書の添削や面接対策を受けられる

 

転職サイトは、転職先の企業からの成功報酬や手数料により利益を得るため、薬剤師は上記のサービスを全て無料で利用できます。

なお、おすすめの薬剤師転職サイトは以下の3つです。

 

  • 薬キャリ
  • マイナビ薬剤師
  • ヤクマッチ

 

どの転職サイトも、薬剤師業界に精通したエージェントによるきめ細やかなサポートを受けられます。

「登録したら必ず転職しないとならないの?」と心配する方がいるかもしれません。

 

しかし、転職サイトは登録時に希望の転職時期(「今すぐにでも」「〇か月以内」「良い求人があれば」など)を登録し、薬剤師の希望にそった対応がなされるため心配ありません。

転職サイトはキャリア相談だけでも受け付けてくれるため、転職を迷ったらまずは登録してみましょう。

 

まとめ

今薬剤師の転職は厳しいの?不利な条件下でも転職成功に近づけるコツ

 

今回は、「薬剤師の転職が厳しい理由と転職を成功させるためのコツ」についてお話しました。

薬剤師の転職が厳しい理由は、以下の通りです。

 

  • 薬剤師の人数が増えている
  • 調剤併設ドラッグストアの増加により、調剤+ドラッグストアで募集されていた求人が1つにまとまった
  • 医療費削減の流れで薬局経営が厳しい

 

業界全体の流れには逆らえないので、できる限りの対策を行いましょう。

次に、以下のような薬剤師は転職が厳しい・不利だとお伝えしました。

 

  • 資格を持っているだけでスキルや経験が乏しい
  • 転職回数が多い・在職期間が極端に短い
  • 転職に大幅な年収アップや好待遇を期待しすぎている
  • 前向きな転職理由や向上心がない
  • 接客やコミュニケーション能力に難がある

 

自分に当てはまっていないか、一度考えてみてください。

もし、転職が厳しい薬剤師に当てはまる場合は、以下のコツにより転職成功率を高められます。

 

  • 認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を取得する
  • 現職で経験を積んで薬剤師としての市場価値を高める
  • 転職先にアピールできるスキルや実績を細かく棚卸する
  • 転職先に求める条件を最低限に絞る
  • 薬剤師転職サイトを利用してプロのサポートを受ける

 

特に最後のコツであるプロのサポートを受けると、自分に合った転職先が見つかったり、転職の成功率が高まったりします。

転職サイトを上手に利用して、長く続けられる転職先を見つけてみてください!

 

 

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